便利な濃縮ガラナジュース


「倫子さん、ウイッチといわれる女たちは、そのぐらいなんでもありません」

「ミコ様に取り入る為の芸なら、非難されません」


「有名な話に、『NYOTAIMORI』事件というものがあり、床が下手な側女が、文字通り全身をお菓子にたとえ、ミコ様のご寵愛を頂いた」

「以来、ウイッチの間で流行り、とうとう禁止となった事件です」


「禁止の理由はね、余りにミコ様がハッスルされるので、翌日のミコ様の仕事に差しさわりが出たかららしいのです」

「これは娘のアリシアから、聞いた話ですけどね」

 セレスティアは自分自身にも、言い聞かせるようにいい、そして続けます。


「ウイッチで禁止されているのは、嫉妬による讒言、足の引っ張りです、ミコ様はそのような女は嫌われます」

「これは『寵妃』の間では周知の事実、倫子さんも『寵妃』の方々は、面識があるでしょう?」


 倫子は二三人、思い浮かべてみましたが、確かにその通り、女の性格のいやらしさが、前面に出ている女はいません。


「でも競争がないわけではないの、ウイッチの戦場ともよべる場所もあるのよ」

「正式の名称はないけど、『湯舟の謁見』とか呼ばれているけど、ここでミコ様を誘惑して、お声をかけていただければ、私的なお願いを聞いてもらえる、暗黙のルールがあるの」


「皆さん、いろいろ抱えているものがあるでしょう、私も経験があるけど、全員全裸の美女でしょう?」

「それは手練手管がいるのよ、アナスタシア様なんかすごいわよ」


「だからミコ様に対しては、色仕掛けなんか恥ずべき事ではないのよ」


 倫子は、セレスティアに言われた小唄をうたった。

「浅い川ならひざまでまくる、深い川ならおいどまでまくる」 

 そして当時のお姉さんが言った言葉を思い出しました。

 踊りは客の上で踊る……  


 七回忌が無事に終り、イシスはアナーヒターの宿舎を訪れました。

「ねえ、サリーが許してくれたの♪しましょうね♪」

「姉さん!怒るわよ!長谷川司令官の七回忌、そんな気分になれないわよ!」


「私はなれるわ、はい、ガラナジュース」

「エッ!」


 ミコは舌打ちしながら、ガラナジュースを飲みほします。

 二人の女神は抱きあい、夕食も食べずに秘め事をしました。


 とうとうイシスは果ててしまいました。

「もうだめ、もう許して……」


「姉さん!先に逝ってどうするの!私はまだムラムラが収まらないのよ!このガラナジュース、なにかしているの!」


「それ、濃縮なの……いっぱい愛してもらおうと思って……もうだめ……隣にたしかセレスティアがいたわよ……彼女を愛したら……オムツ奴隷にしたのでしょう……」


「もう!隣にセレスティアさんがいるのね!ああ、もうだめ、我慢できそうもないわ!」

 

 ミコは慌ててセレスティアのいるという隣の部屋に。

「あら、ミコ様、お盛んでしたね、でも残念ですわ、私、サリー様に呼ばれてしまいましたの、ごめん遊ばせ」

 と、残念そうにセレスティアが部屋を出ていきます。


「えっ!」

 ミコは一瞬もじもじとしましたが、部屋に長谷川倫子が居るのに気がつきました。

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