第670話 模擬戦3



「早速、刃兼が新たに授かった力を見せてもらおうか」


「はい! お館様」



 声をかけると花のような笑顔を見せて力強く返事をする刃兼。

 腰の刀に手をやり、いつでも始められます! といった臨戦態勢を見せつける。

 

 見た目、着物姿の柳腰美人。

 要所を覆うプロテクターもその美を飾りつける装飾品のよう。

 

 しかしながら彼女はサムライナデシコでありサムライマスター。

 決して美しさを愛でられるだけの華ではなく、敵を切り裂く刃を携えた戦士なのだ。





 白式晶脳器がある地下から出て、皆へと結果を報告。


 皆からのお祝いの言葉を受けた刃兼が次に行うのは力試し。


 その相手はタキヤシャが呼び出した中量級のガシャドクロ30機。


 1機1機がノービスタイプより少し強いくらいだから、通常の近接戦闘型ストロングタイプであっても対処できる程度の戦力でしかない。


 まあ、あくまで力試しなのだから、これぐらいでちょうど良いだろう。

 あとは戦術で補えばそれなりの相手になるはず。


 

「では、タキヤシャ。頼むぞ」


「はい………、連携レベルはいかほどで?」


「そうだな………、『強』でやってくれ」


「承知致しました」



 俺の指示を受け、タキヤシャが無表情で返事。


 そして、ガシャドクロ達の方を向いて軽く一瞥。


 冷たく、それでいて艶めかしい目の動き。


 能面のような感情の見えない表情ながら、恐ろしく目が引きつけられる凄絶な美しさ。


 髑髏の軍団を率いるに相応しい死色の姫将軍。

 

 その指示を以って、ただ立ち尽くしていただけのガシャドクロがザッと整列して陣形を組み始める。



 8機が横一列、それが3段。

 残る6機が3機ずつ左右に分かれ、挟み込むような位置に移動。

 オーソドックスな横陣の変形。

 接敵すればすぐさま相手を包み込み包囲網を敷く構えであろう。

 

  

 対して、刃兼は30機からなる部隊を前に、涼やかな表情を変えずにその場に佇む。


 おどろおどろしい髑髏の軍勢を前に、悠然と構える女侍の図。


 刃兼は範囲攻撃をほとんど持っておらず、発動に時間がかかる空間斬が精々。

 どちらかと言うと1対1の戦闘の方が得意であり、逆に多数相手との単独戦闘は少々苦手。

 

 さて、ランクアップした刃兼はどのような戦闘を見せてくれるのであろうか? 



 

 

「行きます!」


 

 模擬戦は刃兼の気合の入った宣言から始まった。


 音も無く腰の刀を引き抜き、正眼の構えから上段に振りかぶり、



「固有技『藤花の舞』!」



 刀では届かぬ間合いから目にも止まらぬ速度で斜めに振り下ろした。



 その瞬間………



 刃兼が振るった剣閃から紫色の花弁が吹雪のように噴き出された。


 辺り一面が一瞬、紫色に染まる程の数。

 紫色の花嵐とも言うべき現象。


 刃兼が叫んだ技名によるのであれば、その花弁は藤の花。

 マメ科フジ属のつる性落葉木であり、風が吹く度に花を散らすのが特徴。

 刃兼がダブル化したことで、その着物の模様として浮かび上がった花でもある。


 古来より庭園や神社、寺に植えられ観賞用として飾られていた花。

 その色合いの美しさは和歌や俳句でも取り入られる程。

 

 刃兼が発生させた大量の藤の花の花弁は、渦を巻きながら向かい合うガシャドクロ達に襲いかかる。


 しかし、襲いかかると言っても所詮は花弁。

 どれほど大量に吹き付けたとしても、ガシャドクロの機体をなぞるように流れていくだけ……… 

 

 

 ボロ……



「え?」



 ボロ……、 ボロ……、 ボロ……

 ボロ……、 ボロ……、 ボロ……

 ボロ……、 ボロ……、 ボロ……


 

「なんだ、ありゃ?」



 俺の口から驚愕の声が零れ落ちる。



 藤の花の花嵐に巻き込まれたガシャドクロ達。

 その機体がいきなりボロボロと崩れ出したのだ。


 まるで波に削られる砂のお城のように。

 まるで藤の花の花弁がガシャドクロを構成する金属を崩壊せしめているかのように。



 みるみるうちにガシャドクロ達30機の装甲が剥げていく。

 いかに堅牢な陣立てを組んでいたとしても、風とともに吹き付けられた何千何万枚もの花弁は躱せない。


 このままでは一方的にやられるだけと、ガシャドクロ達は一斉に前進を開始。

 

 しかし、すでに時遅く……



 ガシャンッ!

 ガシャンッ!


 

 踏み出した途端、倒れ込むガシャドクロが多数。

 どうやら人骨の太さ程度しかない脚部が削られてしまい正常に動かない模様。

 

 もうこうなってはまな板の鯉。

 吹き付けられる藤の花に機体を削られていき、無残にも鉄くずへと換えられていく………

 




「怖! 胡狛! 一体何だ、あれは?」


「…………おそらくは現象制御の効力です。あの紫色の花弁に金属を分解させる効果を持たせているのでしょう」



 俺は目の前で起きた惨状に戦慄。

 すぐさま隣にいる胡狛へと質問を飛ばすと、胡狛は冷静に状況を分析してから回答。



 戦闘開始から1分も経たずに、藤の花に埋もれて粉微塵となったガシャドクロの一団。

 辺り一面紫に染まる中、屍すら残さず消えてしまったタキヤシャの従機達。

 


「サムライ系とは思えない『固有技』ですね。これは刃兼さんに追加した緋王の部材の影響が大きいと思われます」


「なるほど………、機械種タケミナカタの………か。そう言えば、藤の花とも縁がある神だったな」



 胡狛からの情報に、俺自身が記憶する日本神話の中の逸話をピックアップ。

 

 国津神の軍神、建御名方神は天津神の武神である武御雷に敗れた後、長野県の諏訪地方に逃れ、そこで君臨していた現地の神と争ったという。

 建御名方神は藤の花を武器に、現地の神々は鉄輪を以って闘い、結果、建御名方神が勝利。


 藤の花が鉄輪に勝ったのだ。

 つまり刃兼が発生させた藤の花はその逸話の再現。

 あの花弁には鉄輪(金属)に打ち勝つという概念が秘められているのであろう。


 世界の設定を弄る現象制御だからこそできる理不尽。

 常識を覆す神の技に近い現象。



「本来、侍系が持たない全体技か。瞬間威力は低そうだが、継続してダメージが与えられるなら、使い所は色々あるな」


「花弁が起点となる技のようですので、障壁等で防がれる可能性があります。高位機種相手には効きづらいかもしれません」


「ふむ? まあ、そうだろうな。ああいった技はボス敵には効果が薄いのがセオリーだ」



 しかし、メインが単体攻撃に特化していた刃兼が範囲攻撃を覚えたのは有難い。

 刀1本では対処できない場合もあるから、手数は多い方が良い。



 

「見事だ、刃兼! お前の新たな力、見せてもらったぞ!」



 俺が称賛の言葉をかけると、刃兼は抜き放っていた刀を仕舞い、こちらにペコリと頭を下げてきて、



「お館様。できればもう少し力を試させていただけませんか?」


「んん? まだ見せ足りないのか?」


「はい。この身に宿した『固有技』はまだあります。ぜひこの場でお館様にお見せしとうございます」



 そう言う刃兼の顔はいたく真剣。

 細面の美貌にギラリと光る刃物のような鋭さが見て取れる。

 玲瓏な美しさと鋭い切れ味を併せ持つ1本の日本刀であるかのよう。



「…………タキヤシャ、行けるか?」


「問題ありません。まだまだ出せます」



 少しだけ悩み、側に控えるタキヤシャへと振ると、これまた無表情で頷き返してくる。


 ならば俺に止める理由は無く、



「では、もう1本行こうか」









 

 刃兼の次なる相手もガシャドクロ。

 ただし、全高10mはある超重量級が2機。


 中量級と比べるとその迫力は段違い。

 もちろん戦闘力も同様。

 

 中量級のガシャドクロの戦闘力がノービスタイプの戦闘系より少し強い程度なら、

 超重量級のガシャドクロはストロングタイプに匹敵する戦闘力を持つ。


 また、人骨の外見は同じであるが、1本1本のその骨の太さは10倍以上。

 出力もそれに準じるとあれば、先ほどの刃兼が放った『藤花の舞』では削り切るのは難しいであろう。


 

「ダブルになる前なら勝ち目は無かっただろうな。同等の戦力を持つ相手が2機、しかも連携してくるなら、どうやったって勝つのは不可能。さて、ダブルになった刃兼ならどうなんだろうね? ダブルになって戦力が2倍になっとしても互角…………、どう見る、ヨシツネ?」



 『ガシャドクロ2機 VS 刃兼』の模擬戦の行方を、刃兼の剣の師匠でもあるヨシツネに問うてみる。

 すると、ヨシツネは仰々しく膝をつきながら答えを返してくる。



「ハッ! ………そうですね。格下とはいえ、近接戦だと2機に連携を取られると些か不利。拙者が刃兼殿なら上手く各個撃破する戦法を取ったでしょう。機動力を活かして2機を分断。片方を仕留めてからもう片方………という形で」


「それはお前の空間転移が前提だろ。あの超重量級ガシャドクロだって、別に動きが遅い訳じゃない。機動力と言ったって、刃兼は特にスピード型というわけではないからなあ……」


「機動力とは速度だけではございません。戦場における配置、ポジショニングで有利に立ち回ることは可能です。また、戦闘での速度は敵との相対的なモノ。敵より素早く立ち回りたいのであれば、敵を遅くすれば良いのです」


「遅くする?」


「手っ取り早いのは足を破壊することでしょう。敵の機体が大きいことは、それだけ的が大きく狙い易いということです」


「ふ~ん………、そんなものか」


「他にも、足元の地形を壊す、視界を遮る、奥の手をちらつかせて牽制する、同士討ちを誘う、等があります。たとえ短時間でも敵の動きを封じれば同じこと」



 普段は無口なくせに、こと戦闘のことになると饒舌になるヨシツネ。

 俺から問われたから、ということもあるのだろうが、実に嬉しそうに自身の戦術論を語ってくる。



「刃兼殿がおっしゃられた、もう一つの『固有技』も気になりますね。高位機種ともなれば、常道をひっくり返す技を複数備えておりますゆえ。さて、どのような『奥の手』なのか………、果たして超重量級相手に通じるものなのか………」



 そう締めくくるとヨシツネは興味深げに刀を構える刃兼を見やる。


 その目は可愛い自分の弟子を見るようであり………、

 いずれ自分の前に立つであろうライバルを見るような色を湛えていた。







「行きます!」



 再び刃兼からの裂帛の気合が籠った試合開始宣言が飛ぶ。


 すでに抜き放った刀の切っ先を敵へと向け、刃を上にしたまま顔の位置まで持ち上げる。


 所謂、上段霞の構え。

 水平にした刀身に沿うように、刃兼の視線が敵を真正面に捕らえる。



 ゴアアアアアアアアアアアアアア!

 ガアアアアアアアアアアアアアア!

 

 

 対するガシャドクロは、先制攻撃とばかりに、2機同時に飛びかかって来る。

 雄叫びをあげた巨大な骸骨が迫る迫力は、巨人型と比べても遜色がないほど。



 ダダッと土埃を上げ、迫りくる巨大な敵に対し、



「『固有技 風祝の舞かぜはふりのまい』!」



 刃兼は構えた刀を横薙ぎに一閃。


 周囲の空気を薙ぎ払うように。

 風を薙ぐことこそ目的であるかのように。



 次の瞬間、




 ボフォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!



 

 刃兼が振るった刀から凄まじい風雨が巻き起こった。


 それは風と水の混合嵐。

 突風と水流が2つ。

 共に絡み合いながら竜のように飛び、




 ドゴオオオオオオオオオオオオ!!! 




 向かい来るガシャドクロへと直撃。

 あまりの衝撃に2機ともその場で急停止。

 それどころか勢い余って後ろへとのけ反ってしまう程。


 そして、ガシャドクロへとぶち当たった風と水の2匹の竜は、そのまま巻き付くように巨大な機体を締め上げる。


 質量を持たないはずの風が物理的な圧力となって、

 不定形である水が確かな形を以って、

 巨大骸骨2機を縛り上げて拘束。



 

 『風祝かぜはふり』とは、建御名方神を祭る諏訪大社に存在した行事、又はその神職名。

 風を鎮める役目、即ち、台風や雨風を宥め、作物を守ろうと天に祈りを捧げる祭りや宮司を差していたと思われる。


 有名な同人ゲームにも登場していたこともあり、一定の知名度を持つ名前なのではあるが………


 おそらくこれも緋王タケミナカタの部材による影響であろう。

 原典である建御名方神も風と水、竜を司る神であることから、刃兼が風竜と水竜を従えても何の不思議はない。



 しかし、緋王の部材とは恐ろしいまでに施した機械種へと影響を与えるものだ。

 ヨシツネの左腕もそうだが、ほんの少し足しこんだだけで、ここまでの能力を得ることができるのだから。


 だとすると、同格である朱妃の髪を編み込んだタキヤシャも何かしらの能力を得たのかもしれない。

 また、あとで確認してみることにするか…………

 




 


 ゴアアアアアアアアアアアアアア!

 ガアアアアアアアアアアアアアア!



 辺りにガシャドクロの雄叫びが響く。


 風竜と水竜に縛られてはいても、そこは超級のパワーを誇る超重量級。

 出力では巨人型にも引けを取らないのだ。


 拘束されてはいるものの完全ではない。

 その手足はまだまだ動かすことが可能。


 天に向かって雄叫びを上げ、纏わりつく風や水を力任せに剥ぎ取ろうとして、




 ザンッ!!!




 まず、1機がその足を切断された。


 いつの間にか刃兼がガシャドクロの足元まで駆け寄り、その脚を刀で薙いだのだ。


 

 ゴオオオオオオオオオオ!!



 怒り狂うガシャドクロ。

 足を1本失いながらも、飛び込んで来た刃兼を捕まえようとするが、



 タタッ!



 刃兼はすぐさま離脱。

 しかも己の盾とするかのように、もう1機の背後へと回り込む。


 流石に怒れるガシャドクロも相方を攻撃する訳にもいかず、一瞬動きを止めた所で、



 シィンッ!!



 続けざまに背後へと回り込んだもう1機の膝関節を後ろから破壊。


 そして、タン、タンッとその巨大な機体を階段のように駆け上がり、



 ザンッ!!



 空中に飛び上がりながら、その頭部の両目の辺りを横一閃。


 

 ガアアアアアアアアアアアアッ!!


 

 両目を破壊され叫ぶガシャドクロ。

 痛みに悶えるように両手を振り回して大暴れ。


 だが、その機体は風竜に縛られたまま。 

 さらに視界を失ったため、当然、そんな攻撃が当たるはずも無く、



 ザンッ!!



 そんな醜態を見せる敵へと、刃兼は冷徹にトドメの一撃を下さんと空へと昇る。


 風に乗って空中をさらに駆け上がり、クルンと身を翻して急降下。


 振り回す両手を掻い潜りながら、その首へと斬撃をお見舞い。


 獲物を狙う隼のごとく、正確に装甲と装甲の隙間を狙っての一閃。


 たった一振りにて、その頭部を切断することに成功。



 スタッ


 ドンッ!!



 刃兼が地面へと着地したのと、ガシャドクロの首が堕ちたのはほぼ同時。


 自機の20倍以上の重量を持つ超重量級を翻弄しての完勝。


 そして、残るあと1機は………



 ゴアアアアアアアアアアア!!



 足を一本失いながら、せめて一矢報いようと刃兼に迫りくるガシャドクロ。

 両手で這いながら、歯を剥き出しに襲いかかってくる。

 

 凄まじい迫力。

 恐ろしいまでの執念。


 手負いではあるが、決して油断出来る相手ではない。

 

 そのパワーは間違いなくストロングタイプを遥かに上回り、ダブルである刃兼よりも確実に上。

 一度掴まれたら抜け出すのは非常に困難。



 しかし、刃兼は慌てる様子もなく、刀を一旦鞘へと戻し、



「……………」



 柄を握りしめ、腰を落として、迫りくる敵を見つめ、居合の構え以って敵を迎え撃つ体勢。


 そして、ギリギリまで引きつけた上で、



 フッ………




 柄を握った手が一瞬見えなくなり、気が付けば刀が抜かれていて、




 パカンッ!

 ズズズ………

 


 

 刃兼へとあと一歩まで迫ったガシャドクロの頭を縦に両断。

 1.5mはある巨大な頭部が真っ二つとなって地面へと落下。


 そればかりかその機体までも。

 頭から背骨を通り尾骨に至るまで綺麗に分割。

 まるで見えない巨大なギロチンの刃が超重量級の機体に振り下ろされたように。


 骸骨姿とはいえ、超重量級の機体は中量級以上に強固。

 特に頭から背骨の部分は自重を支える為に特に頑丈に造られているのだ。


 だが、それを事も無げに唐竹割り。

 しかも成したのが遠距離攻撃の一閃。


 これぞサムライ系の真骨頂。

 防御無視の絶対切断。

 刀を振るっての空間斬。



 ドドドン!!


 

 その後、ゆっくりと二つに割れた機体が倒れ込み活動を停止。


 刃兼は倒れ込んだガシャドクロをじっと見つめ、その機体が塵になって消えるのを確認してからようやく刀を鞘へと納める。


 そして、倒れた相手に対して軽く一礼。

 それから、俺の方へと向き直り、両手を前で重ねて深々とお辞儀。


 上品、且つ、洗練された挙動。

 武家のお姫様のごとく流麗な作法。

 刃兼に相応しい締めくくり。


 こうして模擬戦は見事、刃兼の勝利で決着した。


 




「お疲れさん。素晴らしい戦いぶりだったぞ」


「ありがとうございます。お館様」



 俺の手放しの称賛に微かな笑みを浮かべて応える刃兼。


 しかし…………、その顔にほんの少し物足りなさを映し出しながら、



「お館様。今一つ、差し出がましいお願いをさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「え? また? 何?」


「ヨシツネ様と一勝負を望みます」

 

「うえ? …………ヨシツネと?」



 刃兼の申し出に思わず後ろを振り返りヨシツネへと視線を移すと、



「…………拙者であれば、いつでも」



 両目の瞳をギラリと青く輝かせ、不敵な笑みを浮かべるヨシツネの姿がそこにはあった。





『こぼれ話』

【現象制御】はこの世の理を根本から変えてしまう超常のスキル・マテリアル機器と言われています。

炎が固さを持ち、水が数千度の熱湯となり、岩が破壊されても元に戻るようになる。

正に奇跡とも言っても差し支えは無いほどの万能ぶりですが、その使用に莫大なマテリアルが消費されます。

本来、相当な高位機械種でさえ使いこなすのが難しいモノなのですが、その発動条件に制限を加えることで、消費を抑えることができます。


【水と風しか扱えない】、【花弁を媒介する必要がある】、【太陽が出ていると使用不可】【防御のみ、攻撃には使えない】【事前に特殊な儀式が必要】【生贄がいる】等々………


ほとんどの現象制御の使い手はこうした制限を複数課し、現象制御を扱っているようです。


無制限の【現象制御】を扱えるのは、この世界にたった1機しか存在しないと言われています。

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