第30話 宝剣


 うわぁぁぁ! 怖えええぇぇぇ!



 無色の暴風が俺の周りを取り巻いている。

 

 ウルフ達が飛びかかってくると、風が黒味を帯び、物理的な障害となって、ウルフ達を吹き飛ばす。

 しかし、足で描いた陣が俺を中心として半径50cm程の円しかできなかった為か、俺に爪や牙が届く直前まで黒い風が発動せず、かなりギリギリまでウルフ達に接近を許してしまっているのだ。


 もう少し大きな円を描ければ良かったが…………



 そもそも、十絶陣は封神演義に出てくる敵役である截教の高弟、十天君が使用する『陣』だ。

 陣とは一定の場所に自分の有利な空間を作り出すことのできる術で、このように相手を誘い込んで殲滅する罠のような能力を持たせることもできる。


 十絶陣はその中でも特に攻撃性が高く、俺が使用した風吼陣は本来であれば、黒い風と共に何万本もの刀剣が相手を切り刻んだり、炎をも生み出したりと、もっと派手なものになるはずだ。


 通常、陣を作り出すためには、地面に大きな円を描いたり、旗を立てたり、力を注いだりと事前に色々と準備をする必要があるが、今回はその準備をすっ飛ばした為、範囲も威力もショボいものとなってしまったのだろう。


 一応、黒い風はウルフ達を弾き飛ばした際に、装甲に傷をつけているようだが。


 まあ、この短縮版は防御用と割り切っておこう。


 ちなみに十絶陣の中で、この風吼陣を選んだのは、万が一、陣の効果が自分に及んでしまった場合、一番被害がマシだろうと思ったからだ。


 他の十絶陣は、体を溶解させたり、魂魄を消し飛ばしたり、血水と化してしまったりとえげつない効果を発揮する。

 風や刀剣で切り刻まれたなら仙丹で直せる可能性が高い。





 ウルフ達は弾き飛ばされた後も、何度も飛びかかってきて跳ね返されている。


 当然、ウルフ達の攻撃ではこの風吼陣は全くビクともしない。

 しかし、このままでは俺も行動できない。


 描いた陣が狭すぎて座ることも難しい。

 なにせ直径1mしかないからな。


 ウルフ達にとっては弾き飛ばされる風の壁のようだが、俺の出入りは自由らしい

 。中から攻撃することも可能だが、いかんせんパンチ、キックは届きづらいし、そもそも攻撃が届く前に黒い風が弾き飛ばしてしまう。



 しばらくするとウルフ達は風の障壁を突破するのはあきらめたようで、黒い風が発動せず、俺の攻撃が届かないギリギリの線を探るように、陣の周りを回りながら近づいたり離れたりを繰り返す。


 攻撃を一時中断して陣の有効範囲を見極めているようだ。

 俺がもし迂闊に動いて、少しでも有効範囲から体の一部を出そうものなら一瞬で食いついてくるだろう。


 危機的状況は脱したものの、こちらも向こうもお互い手を出せなくなってしまっている状態だ。

 俺としてはこのままウルフ達が諦めて去ってくれれば何の問題もない……いやせめて一体くらいは狩りたいな。



 あ、そうだ、銃ならいけるかもしれない……あ、ナップサックが無い。



 最初の方でウルフ達の相手をしている時に落としてしまったようだ。

 俺から20mくらい先に落ちているのが分かる。


 なんとかこっちに持ってくる方法はないだろうか? 物を移動させる仙術とか………


 割と適当な方法で陣が作成できたので、思いつきで念動力とかで動かせないかと思い、ナップサックに意識を集中して、動け、動けと念じてみる。



 うーん。無理。そもそも念動力はサイキックで、仙術とは関係がないな。

 


 さっきまでの俺とは違い、心の余裕が大分できてきている。

 やはりこちらの体が傷つく心配が無いということが一番大きい。


 逆にこちらが怪我をする可能性がある場合は非常に脆いと言わざるを得ない。

 自分でも情けないと思うが。




 そんなことを考えていると、俺を包囲していたウルフ達の一頭が離れていき、俺の袋に近づいていく。



 え? 何する気だ。アイツ。



 その一頭は他のウルフより一回り大きい個体で、赤く光る目からは一層強い悪意のようなものが感じられた。

 


 ひょっとして、アイツがこのウルフ達のボスか?

 アイツを倒せば何とかなるのだろうか?



 そのウルフボスは俺のナップサックの所に着くと、前足で押さえてガブリと袋を食い破り、器用に中身を取り出す。

 

 ナップサックに入っているのは、銃、水筒、兎の頭、

 そして、あの3人にもらった大振りのナイフ。


 それをこちらに分かるように見せてくる。

 


 クソッ! せっかく新しい袋を貰ったばっかりなのに!

 アイツ、どういうつもりだ。いったい何の真似だ。



 ウルフボスはこちらに視線を飛ばし、挑発しているような仕草を見せる。

 そして、兎の頭に噛みつき、そのまま咀嚼を始めた。



 ああ、俺の獲物! 

 アイツ、挑発しているような、じゃねえ。

 俺を挑発してやがるのか。




 その次は銃。

 かみ砕かれるのは一瞬だった。



「あああああ、1000Mもするんだぞ!それ!」



 思わず声が出る。

 しかし、止めようが無い。

 この風吼陣から出たら他のウルフ達が殺到してくるだろう。

 



 水筒が食い破られた。次は3人から貰ったナイフの番だ。


 どうする?


 そんなの決まっている。

 命には代えられないだろう。残念だがナイフのことは諦めるしかない。

 分かってくれるさ、あの3人も…………


 だってウルフの集団だぞ。ナイフは犠牲になったんだ。

 そう、そのおかげで助かったっていうことにしとけばいいんじゃないか。


 銃も、水筒も、あのナイフもしょうがない。

 諦めるしかないよ。だって守れる力が無かったんだから。


 このアポカリプス世界はそうなんだ。

 弱い奴はああやって『奪われる』しかない…………




 ドクンッ!




 俺の心臓が強く跳ねた。

 腹の底から、強い憤りを抱えたナニカが蠢き出す。




 ソウ、ウバワレル。


 ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、

 ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、

 ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、ウバワレル、

 


 俺の耳に入って来る呪詛めいた響きを持つ言葉の羅列。

 その度に俺の心はナニカによって塗り替えられていく………




 バキ!



 

 その時、響く軽い破砕音。


 ウルフボスによって、あの3人からもらったナイフは刀身を根元から折られてしまった。


 そのままボリボリとウルフボスは刀身を食らっている。口元からは柄の部分がポロリと落ちる。



 それを見た瞬間、頭の中が真っ白になる。


 そして、心の中のナニカが叫び声を上げた。




 アアアアアアアアアアアアア! ウバッタナ! オレカラウバッタナ!!!!




 俺は陣から飛び出して一直線にウルフボスへと向かう。周りから一斉にウルフ達が飛びかかってきた。



 ジャマダ! コイツラ!



 もう腕が傷つくことは気にしない。

 思い切り両腕を振るう。


 一斉に飛びかかってきたって一度に俺に攻撃ができるのは精々4体までだ。


 体を回転させながら迎撃。

 飛びかかってきたウルフ達をまとめて一気に弾き飛ばす。



 チィッ! 2体しか潰せなかった。


 きちんと当てないと一撃とは行かないようだ。

 しかし、それで十分。アイツへの道筋は作れた!



 俺から奪ったことへの報いをくれてやる!



 ウルフボスとの距離、約20mを一気に詰める為、地面を大きく蹴ろうとする。


 その反動で飛びかかろうとした瞬間、




 ブシュウウウウウウウ!!!




 ウルフボスから眩い光が放たれた。



 一瞬だけ目が眩む。俺の周囲に熱気が溢れ、何かが焼け焦げる臭いが鼻を通り抜ける。



 なんだ! 何が起こった?

 ひょっとして、レーザーだろうか?


 もしかして俺の身体に命中した?



 思わず、胸や腹を擦ってみるが、特に自分の体や装備に被害はなさそうだ。


 ウルフボスを見ると俺に向けて、大きく口を開けていた。


 

 その口から薄い煙が棚引く。

 たった今、超高熱のナニカが発射されたかのように………





 やっぱりレーザーであった様子。

 この街に来る前に遭遇した、あのメカ熊が口から放っていたモノと同じであろう。


 何の被害もなかったところをみると、どうやらレーザーを放ったが、俺には当たらなかったようだ。


 危なかった。

 もし直撃していたらどうなっていたか。


 恐怖で少しだけ頭が冷える。

 落ち着け!アイツに目に物見せてやりたいが、命を失えば元も子もない。



 遠距離攻撃手段も持っているなんて、なんて厄介な敵だ。

 しかし、なぜ、俺が風吼陣に籠城している時にレーザーを放ってこなかったのか?

 あの時撃たれていたら躱しようが無かったぞ。



 ウルフボスへと訝し気な目を向ける。


 すると目に入ったのは、再びレーザーを放つような構えを見せるウルフボスの姿。




 あ! アイツ、またレーザーを放つつもりだ!


 ウルフボスは狙いをつけるかのように、大きく開けた口をこちらに向けてくる。

 黒いボディに薄らと赤い光が這い、頭の方へエネルギーが集中するかのように移動してく。



 さっきよりパワーを溜めているのか?

 ヤバい! 躱す? 逃げる? パーカーを盾にしてみる?

 それとも、イチかバチか特攻してみる? 間に合うのか?



 溜まったエネルギーは膨れ上がり、こちらに向かって放たれようとしている。




 ああ………、決断が遅い。

 逃げるのも特攻するのも、もっと早くしておけば何とかなったかもしれないのに。


 何か投げて気を逸らすか、仙術で風を起こす?水をぶつけてみる?


 あの大きく開けた口を向こうへ逸らすか、閉じさせることができれば……




 あ、そうだ!



 思いついた術を試す為、指を下りたたんで、手のひらをウルフボスに向ける。

 

 そして、口にするのはつい先日習得したばかりの仙術の一つ。





「口よ!開くことを禁じる。禁!」



 エネルギーが放たれようとした瞬間、ウルフボスの口が禁術によって強制的に閉じられる。




 ボボボボォォォォォン!!



 ウルフボスの閉じられた口から赤光が溢れ出し、暴発。

 口の辺りを含め、顔前面が吹き飛んでしまった。




 突然の思い付きだが、禁術が成功したようだ。


 動きを止めても良かったかもしれないが、それでレーザーの放射が止まるか分からなかった。

 また、もしあのウルフボスがウルフという名称で無かった場合を考えると、間違えようのない部位を指定して禁術を行使したことが幸いしたようだ。



 ただし、部位指定の禁術はおそらく効果時間はほんの一瞬に過ぎないだろう。


 禁術はその物を特定できる固有名に近ければ近い程効果を増す。

 コンマ1秒以下の特定部位の動きを止めるのに、こちらが動作と詠唱に数秒取られるのは効率が悪すぎる。

 今回の様なケースでないと戦闘中では役に立たないだろうな。




「やったか!」



 そのセリフがフラグになったわけではないだろうが、ウルフボスは顔前面を失っても、まだ倒れてはいない。

 剥き出しとなったガラス玉のような目からは赤い光が輝いており、多少ふらつきながらも4本の足で自身の体を支えている。



 今がチャンスか?

 あれだけ自爆しておいて、流石に誘いではないだろう。



 ちらりと後方に控えるウルフ達に目をやる。

 どうやらウルフボスのレーザーに巻き込まれないよう待機していたようだ。

 まだ動く気配はないが、いつ飛びかかってきてもおかしくない。



 どちらを狙う? 


 一瞬悩むが、やはりウルフボスを先に潰すことを優先する。

 


 右手を腰に構え、ウルフボスに向かって駆け出す。


 ウルフボスは背を向けて慌てて逃げようとするが、顔前面を失った影響なのか、動きが鈍い。


 ウルフボスの背中へ、速度を乗せた正拳突きをお見舞いする。

 




 グシャッ!!!!




 一撃で胴体部分を粉砕。

 ウルフボスは真っ二つになって、地面に転がった。


 しばらく頭の部分は動いていたが、数秒も経たないうちに目から赤い光が消え、動かなくなった。





 ウルフボスが完全に沈黙したのを確認してから、落ちていたナイフの柄を拾い上げる。


 ああ、3人に何て言おう。


 残された柄の部分を握りしめ嘆息する。


 俺から奪った元凶を粉砕したので、俺の高ぶった感情も落ち着きを取り戻す。




 しかし、まだ戦闘が終わったわけではない。

 ボスは倒されたものの、ウルフ達はまだ17匹残っている。

 俺にボスを倒されて少しの間困惑していたようだが、ようやく態勢を取り戻したようで、やや隊列を乱しながらも俺に近づいてくる。 



 さて、どうするか。もう一度陣に閉じこもることも考えたが、援軍も期待できないのに籠城しても仕方が無いと諦める。

 逆に時間が経てば向こうの援軍が来るかもしれない。

 そう考えれば、ここで殲滅する以外に選択肢が無いことが分かる。



 しかし、あの数は流石に厄介だ。

 一斉に襲いかかられたら、攻撃を全て躱すことは難しい。

 さっき陣から飛び出して周りから襲われた時は、幸いなことに怪我をすることはなかったが、次も同じように無傷で済む保証はない。


 もし、一度傷つけられてしまったら動きも鈍ってくるし、そもそも痛みに弱い俺が、痛みに耐えながら戦闘を続行するのは難しいだろう。


 怪我を負わないようにする為には、できるだけ早く数を減らさないといけないが、こちらのリーチが短すぎてどうにも命中率が悪い。

 元々腰より下の背の低い相手は拳ではなかなか狙いにくい。かといって蹴りを使えば、相手は軸足を狙ってくるだろう。



 ああ……、武器が欲しい。振り回せるくらいの武器が。


 金属バットくらいがちょうどいいか。

 いや、それよりもハンマーの方が威力が高いかも。


 しかし、重量のある打撃武器であの俊敏なウルフに命中させることができるだろうか。

 できれば使いやすい刃物の方がいいかもしれない。


 鋭く、一撃でウルフ達の首を刎ね飛ばせるような。

 しかし、金属のボディ相手に刃物が通じるのか。

 ロボット相手ならアニメによくあるビー○サーベルみたいなのが有効なのだろうが。




 そう、柄から湧き出す光の刀身。

 一閃する度に光の残像を生み出す……



 その時、俺は光の剣を幻視した。



 その剣は輝く光を刃に変え、幾人もの敵の首を刎ねた宝貝。

 封神演義に出てくる黄天化。俺の好きだった登場人物の愛剣。




 右手の中の刃の部分が無くなったナイフの柄をぐっと握りしめる。





「宝貝 莫邪宝剣」





 柄から光が噴き出した。

 始めは噴水のごとく光が湧き出し、その奔流は10m先まで届くほどであったが、ゆっくりと勢いが収まっていき、やがて青白い光を放つ1.5m程の一本の剣身のみが姿を現した。 



 ブンっと右手で剣を振るう。

 何となく星戦争のライト○ーバーのような「ブオン」という音を期待していたが、全くの無音だ。

 剣身が空気を切る音さえ聞こえない。



 イケる。

 この剣の前にはウルフ達等塵芥に等しい。一瞬で全てを蹂躙できる。


 宝貝から感じる圧倒的な力が俺を戦闘へと駆り立てる。

 


 俺が武器を作り出したことに驚いたのか、ウルフ達が俺に近づくのを止める。


 ふん、怯えているのか。ロボットの癖に。

 だが、もう遅いよ。俺の試し切りの相手となってもらう!




 宝剣を片手にウルフ達の群れに突っ込む。




 封神演義の小説はかなり昔に読んだきりだ。

 覚えている内容もかなりあやふやになってきているが、莫邪宝剣の戦闘シーンの2つの表現は割と記憶に残っている。



 そう、「剣が光った」と「相手の首が落ちた」だ。



 正しくその通りだった。俺が剣を一閃するだけでウルフの首が一つ飛ぶ。

 上手く合わせば2つだ。


 飛びかかってくるウルフ達に合わせて振るだけで、何の抵抗も感じず、ウルフ達のボディを切り裂いていく。


 また、ウルフ達の動きが精彩を欠いていたことも大きい。

 やはりボスを失った影響だろう。

 先ほどは憎たらしくなるくらい、俺が嫌がる攻撃をけん制と織り交ぜながら交互に行ってきたが、今は連携はしているものの、いささか攻撃が単調過ぎた。



 時間にして2分程でその作業は終わった。

 頭を真っ二つにしないよう気を付けてなければもう少し早かったかもしれない。








 俺の周りにウルフ達の残骸が20体分散らばっている。


 激戦の跡のようだが、俺にはまだ物足りない感じだった。先ほどまで絶体絶命の危機だったのに、宝貝を手に入れたという高揚感が俺を落ち着かなくさせていた。



 ようやく手に入れた宝貝。

 それも俺の一番お気に入りのヤツだ。



 チャンバラをするように軽く振るってみる。

 全く重さは感じない。

 逆に軽すぎて存在するのかどうか不安になってしまうくらいだ。



 いや、ここに確かに莫邪宝剣は存在する。

 それも圧倒的な力を持って!

 


 今までの仙術はどうにも破壊力という点においては、威力がショボいものばかりだった。


 仙術で生み出す火や風も手品レベルでしかないし、禁術は応用が効きそうだが、直接的な破壊力に乏しい。風吼陣は今の段階ならあくまで防御用だろう。



 しかし、この莫邪宝剣の破壊力は素晴らしい。

 機械種を紙にように切り裂いていく。

 

 俺はこの宝貝の威力に魅了されてしまった。

 先ほどまでの絶望的な状況から脱出できたということもあり、自分で分かる程テンションが上がってしまっている。




 これが力を手にするということか!




 自分では収めることのできない心の底から浮かび上がってくる熱量を消化する為、手に入れた力、莫邪宝剣を振り回し始める。




 剣道の真似をして、面、胴、小手。


 剣豪の真似をして、円月殺法、燕返し、十文字切、Vの字切り。


 漫画の真似をして、○○ストラッシュ。懐かしいぞ、おい。


 さらに、一瞬で9回攻撃を繰り出す奥義。結構できたような気がする。




 やっているうちに楽しくなって、宝剣を振り回し続ける。


 右手から左手に持ち替えて切りつけてみる、手首のスナップを効かせてしなるように振るってみる、両手で剣身を地面に打ち付け、そのまま跳ね上げてみる。

 


 あははははは、童心に帰ったようだ!



 剣を振るうと光の残像が追尾してくる。これがまた非常に美しい。


 さらに調子に乗って飛び回りながら剣を振るい続ける。


 そしてジャンプしながら回転切りを試したところで、着地に失敗。





 「あ、ぎゃっ」

 



 なぜかバランスを崩して横に倒れた俺。


 ちょっと調子に乗り過ぎだな。



 体を起こそうとした所で………感じる違和感。

 




 あれ? 立てない。

 なぜか、右足に力が入らない……………んん?

 




 右足が3m程先に転がっていた。






 右の膝下辺りから何か噴き出している。


 


 

 あ、右足を切断してしまった……………





 そう認識した瞬間、激痛が走る。






 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


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