第08話 お風呂と女将軍さんです



 無機質な軍基地でもお風呂はちゃんとあるみたい。けど、さすがに高貴な要人ヒトを迎えるようには出来てなくって…


「(造りがぜんぜん違う…前世でいうと安いホテルの地下浴場…かなぁ?)」

 お城のは床も壁もぜーんぶ白亜の大理石っぽいし、湯舟は金?っぽい輝きの金属で覆われてる。すごく広いのに一度に入浴するのはいつも僕とお嫁さん、そして御付きのメイドさんの3人だけ。



 で、この基地のお風呂場はというと…壁や床はゴツゴツした薄黒い岩肌を頑張って削って滑らかにしたよってカンジだ。

 広さだけはお城のお風呂と同じくらいある湯舟は、形の整った方形の石材レンガを組み合わせて造られてる。


 全体的にすごくシンプルで、なるべく安くすまそうとしたのが僕の素人目で見ても明らかだった。



「(あのすのこ・・・っぽいのとか、マットっぽいのとか、僕が入るから急いで用意したのかなぁ…)」

 石の床の上に敷き詰められてる木板を連結した真新しいモノ。脱衣所の入り口に敷かれてるマットも、豪華っぽいものを慌てて用意した感じ。


「(……。こういう設備をもっとマシなものに作りかえたりしたら、軍の人たちは僕の味方になってくれるかな…?)」

 なんてことを考えてると、その脱衣所から一人の女性がお風呂場に入ってきた。


「失礼いたします殿下。セレナーク=フィン=ヒルデルト准将、ご命令に従いまして、殿下の御入浴ご同伴の上、これより護衛の任を務めさせていただきます」


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「そ、その…本当によろしいのでしょうか? わたしめのような下賤者が殿下と湯を共にするなどと…そ、それにその、これほどの御密着を…」

「うん、僕がいいって言ったんだから大丈夫だよ」

 彼女を湯舟に入れ、僕はそんな彼女を背もたれ椅子にするように一緒に入浴している。

 でも体格差があるので他の人が見たら僕は、彼女が膝の上に座らせて抱いてる、小さなぬいぐるみのように見えるかもしれない


 セレナークことセレナは、一言でいうとキャリアウーマンな上司ってカンジの女性だ。といっても周囲に厳しいカンジじゃなく、美人で可憐さも少しあって部下の悩みや苦労に対して “よし、少し私が手伝ってやろう” とか言いそうなタイプ。

 アイリーンが前線で戦う英雄エースなら、セレナは後方でそんなエースや部下達に理解を示しながら良く指導する若き指揮官な印象。


 実際、僕がこの基地に来た時は、近隣に出現した魔物の群れを退治するため、指揮官として腕を振るっていたらしいし、この基地の守将トップも彼女だ。




「(そして、そんなこの女性ヒトを僕のものにするために、一緒にお風呂に入ろうってお願いしたわけだけれど…)」

 僕は確認するようにセレナの身体をチラ見する。


 まず何と言っても凄いのが、その胸部装甲オッパイのボリューム。アイリーンも大きいけれど、セレナはさらに上。圧巻のモノをお持ちだった。


「(基地への帰還の様子を見てた時は、豪華な鎧のせいもあるのかなと少し疑ってたけれど…)」

 すごい。

 僕の頭が両方のオッパイでムニムニとずっと挟まれてる。目の前の視界の左右半分くらいはセレナのオッパイの肌色で埋まってる。


「(うん。僕の頭…挟まるっていうかオッパイに食べられてるよね、コレ)」

 そして、いつもアイリーンと一緒に寝てるからこそ分かる、オッパイの質感の違い。

 アイリーンのは張り6:柔らかさ4ってカンジで、やっぱり戦う女性なんだなーって思ったものだけれど、セレナのは…


「(張り8:柔らかさ2…かな。ブラジャーしてないのにこの大きさで全然垂れないし、すごく綺麗な球っぽい感じだし―――オッパイって筋肉…つかないよね??)」


 J? K? それともL??


 この世界には “ カップ ” のようにバストの大きさの基準とかないから、僕が見た感じなんだけども、それくらいかそれ以上あるかもしれない。

 ほんのわずかに空気が抜けてるバレーボールを一回り…ううん、二回りは大きくしたものが2つ。

 その表面を柔らかい素材か何かで覆ったらこんな感じになるんだろうか?? なんて事をつい考えてしまう。




「(そろそろ本題に入らなくっちゃのぼせちゃうな、えーと…)」

 僕は、セレナの様子をゆっくりじっくり観察した。


 ものすごく顔が赤らんでいるのが可愛い。アイリーンよりもキリッとした顔つきなのに、それが恥ずかしそうに照れてるのが凄くいい。

 それに、僕と目が合いそうになるとますます顔を赤くして自然を装って視線を外そうとしてるのもいい。


「(……ニヤリ。これって、王道だけど間違いないかな、もしかして?)」

 戦いの現場に立つ、多くの部下を従える女性。強く芯のある態度やリーダーシップを求められる場で働いている者。


 さてそんな日頃の反動は、一体どこへといくだろう?


 ショタっこな僕を見てのこの反応――――まず間違いなくカワイイもの好きで、部下に示しがつかないから他の人には隠してる系に違いない。




 弾力バッチリでもオッパイはオッパイ、乳房のまぁるいお肉の大半が湯の上に浮かんでる。

 その二つの山の間、僕は彼女の脈がどんどん早まっていくのを、ふれてる両頬で感じとっていた。それが僕にセレナのことを確信させた。


 いつかのサーカスの女の子のように、イタズラする子供の瞳の輝きを両目にやどして振り返ると、僕はセレナの谷間の中から彼女の顔を見上げた。


「?? い、いかがなされましたか、殿下? 何か私めに―――――」

 僕はちょっと楽しいと思いながら、セレナを落としにかかり始めた。




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