防犯カメラの映像4

「それで どうしました?」


「どうへんなのか 聞いても とにかく来てくれと 言われたので 仕方なく アルバイトの子に 少しの間 店を任せて 様子を見にいきました」


「 そのアルバイトの子は 何て名前ですか?」


「山口です、青葉大学の学生さんで柔道部らしいので頼もしいんですよ」


「なるほど、ではそのアルバイトに店を任せたあとあなたはその高校生についていったと」


「はい、そしたらやはりその高校生の言った通り変でした」


「どのように?」


「あの、アラームが鳴っているんですよ。トイレの中で」


「それが変なんですか?」


「いやいや、変でしょう?ずっと鳴ってるんですよ?」


「ずっと?」


「ええ、ずっとです」


「どのくらい?」


「え?私が行ってから3分は鳴ってたから、その前からだとするともっとですね」


「確かに変ですね、それは」


「でしょう?それで、何回かノックしたあとに開けますよ!って大声で言っても返事がないので」


「開けたんですね?」


「開けました」


「そして見た」


「見ました」


店長は思い出したのか少し眉をしかめて口をへの字に曲げた。


池照はこの店長吐かないところを見ると以外と死体なれしてるなと思った。弱い人は大人の男性でも普通に吐くものだ。スプラッター映画好きな人は耐性が多少あるらしいが…。


「そのあとすぐ警察に連絡して、アルバイトの子を返したと」


「はい」


「なんでアルバイトの子は返したんです?」


「いや、こんな事になっちゃって営業できないし、間違って遺体を見ちゃっても嫌だろうし」


「大丈夫でしょう?柔道部なんでしょ?」


「柔道部と言っても女の子ですからね」


「え?女の子なんですか?」


「え、ええ、山口は女の子ですよ」


池照は紛らわしいなぁと思いながら、そういえば勝手に勘違いしたんだと自分を恥じた。


「なるほど、それは賢明な判断です」


そういうと岩井が口を挟んだ。


「そうかなぁ?返した事によって逆に疑われちゃうかもやで?」


「そんな、彼女は本当に関係ないんですよ」


店長が不服そうに言った。



「まあまあ、冗談やがな、そないにむきにならんでもエエがなぁ」



池照はこの変な関西弁が合ってるのかどうか、本気で知りたくなってきた。


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