如月3
俺は不思議な感覚に囚われていた、目の前に居るのはいかにもと言ったお嬢様なのだが.......俺はその少女に
この感覚は...たしか、昔俺がかなり弱かった時に格上の格闘家と対峙した時の感覚と
「あ、あの.......」
俺はこの不可思議な呪縛からなんとか逃れる為になんでもいいから質問する事にした。
「なに?」
う、言葉につまる、なんだこの威圧感は。
「変な質問ですが、こちらの好戦的なメイドさんバアヤって呼ばれてましたけど、そんなにお年を召している様には見えないんですが.....」
もし本当に歳を誤魔化していたとしても悪い気はしない様な質問を投げかけた。
最近では特殊メイク並の化粧を施せる人もいるらしい。
「あーその事ね、それは本人から聞いた方が良いかも」
「桜庭彩」
唐突にメイドさんが口を開いた。
「へ?」
「だから本名がサクラバアヤなのよ、おわかり?」
「え?.......あー!」
なるほど、本名の下の方を取ってるのか.......でも、なぜ?
「あの、しかし.......」
「なぜ、サクラの方で呼ばないのか?でしょ?それはバアヤのプライドが許さないんだって。変でしょ?」
そう言ってお嬢様はクスクスと笑った。
俺は心底ほっとした。
笑うと普通の女の子なんだ。
「言っときますけど、私をバアヤと読んで良いのはお嬢様だけですからね!」
桜庭彩に釘を刺された。
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