第5話 好きだからこそ続けられる仕事がある(就活編)。

 就活生のみなさん、就職の際、何を優先していますか、何を優先すべきだと思います? 


 給料面、福利厚生、将来性、大企業であるかないか、知名度があるかないか、お休みの回数、有給休暇の取得の有無、色々な企業を比べ、人それぞれ、判断の物差しは違ってくると思います。


 私も大学を卒業する際、ご多分に漏れず就活をしましたが、ハッキリ言って、当時は何も考えていませんでした。


 ただ漠然と給料面がよさそうな会社で、名の知れた企業かどうか、この仕事を続けられるかどうか、そんなことを考えていたような気がします。


 ある程度の年齢になったから上から目線で言うわけではありませんが、転職を重ねて思うのは、仮に、トヨタ自動車という大手の企業に就職したからといって、必ずしも自分の能力が最大限に活かされるという保証はなくて、自動車を売るという、販売する能力の一部だったり、車をデザインする力、自動車の整備、組み立て。自動車を司るほんの一部分でしか、企業と関われないことを知るべきです。


 自動車が好きなら、何もトヨタ自動車でなくとも、日産自動車、スバル、マツダ自動車でもいいわけで、小さな整備工場で社長として会社を経営しても、オートバックスの整備士として働いても、やりがいという観点で満足できることは、言わずもがなです。


 できれば、好きなメーカー、好きなブランド、好きな職種で働きたいと誰しも思うモノですが、問題なのは、仕事を給料面、企業ブランドだけで判断してはいけないということなのかもしれません。


 このタイプの人は、仕事にやりがい、生きがいを求めていないので、給料面だけで仕事を判断しますので、その結果として、少しでも困難な場面、いやな場面に直面すると、他の業種に転職すればいいと逃げ道を模索する傾向が強いように思います。


 好きでもない仕事、職種で、ただ給料がいいだけの理由で働くか、給料は低いけれど、人様の役に立つ、やりがいのある仕事に就くか。


 これら2つは、仕事に対する意識、捉え方が全く相反していて、その後の生き様が180度、違ってきます。


 100%、満足のいく会社は、ほぼ99%ないと思った方がいいです。

 いきがい、やりがいを優先した仕事に就いた場合、多少、いやなことがあっても、多くの困難は乗り越えられるような気がしますし、給料面を優先しただけの就職の場合、困難を乗り越えられず、転職を繰り返してしまう危惧に何度も直面することでしょう。


 よく、大手の企業にせっかく採用されたのに、思っていた仕事と違っていた、たったそれだけの理由で、若くして転職する人がいますが、会社というのは、適材適所で、最初の10年は自分が思い描いていた事務職とは違う、営業畑で働かされたり、10年後、部長職に就き、事務関連に部署を異動、舞い戻るなんてこともよくある話で、短い期間、一時の判断で、自分が思い描いていた職種と違うとか、短絡的に判断すべきではないように思います。


 もしも自分の思ったとおりの仕事に就きたい、仕事の面で妥協したくないと願うなら、究極なアドバイスを申し上げますが、一国一城の主、社長になるしかないように思います。


 社長だって、やっぱり最初の内、数年から数十年は、サラリーマンを経験し、人に使われてノウハウを盗むのが常なので、100%、自分の思ったとおりの企業に就職するというのは、現実、あり得ないと思った方がいいです。


 そういう意味では、好きな仕事なら、たとえ少しばかりいやな場面に直面しても、途中で投げ出すこともないでしょうし、たとえ好きな会社に就職したとしても、必ずしも、好きな仕事をやらせてもらえるとは限らないことも、自分の心の中で言葉として理解すべきだと思います。最初の内は、なんでも忍耐が必要です。それを乗り越えることができた者だけ、その者だけに、日が当たるよう、世の中というものはできています。


 特に大手の会社に就職したとなれば、それは大きな歯車の1つ、たとえば、企画関連の仕事だったり、ネジを1つ作る仕事を任されたり、せっかく大手の自動車会社に勤務することができたというのに、ネジを作る仕事? なんて、最初の内は面食らうかもしれません。


 私が、ある一定の年齢に達したから言うわけではありませんが、やっぱり好きな仕事に従事し、いい人間関係で、もまれることの大切さ、仮に給料が多少満足いかなくとも、やりがいのある仕事、生きがいを得られる仕事を続けていく方が、長い目で見て、ストレスなく、長く働けるのかなという印象を受けます。


 虎は死んで皮残し、人間死んで名を残します。

 人はなぜ働くのか、なぜ働かなければならないのか、それを知ることに始まり、ある人にとって仕事とは、やりがい、生きがいの探究かもしれませんし、またある人にとっては、生きるため、生活のため、お給料のため、仕方なく働いているに過ぎないのかもしれません。


 なぜ働くのかも大事ですし、どうせ働くなら、いかに有意義に働くか、いかに、やりがいに結びつけて楽しく働けるか、仕事を生きがいに昇華できるか、その部分が重要なのかなって自分では思いますね。


 お給料の多い、少ないは、長い人生の中で、重要なファクターであるものの、二の次のような気がします。

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