020214【略歴】
わたしは猫は救わない。
これは、私が小学校の授業参観で作文を読み上げた際の冒頭一文目であった。
何故そんな事を書いたのか分からなかったが、その場にいた母親は随分と肩身の狭い思いをしたのだろうと思う。
もともと作文を書くのは得意だった。学校で原稿用紙を渡されて、3枚ほど書くのであれば15分ほどで書けた。そのため、時間いっぱいかかっても書けずに宿題になっているクラスメイトを見て何でそんなに悩むのだろうと不思議に思った。今思うと、書くのは早かったが中身は勿論薄くて、読むに値しないものだったと思う。
高校生になると、お世話になった先生の担当が国語で、図書室の管理をしていたこともあり本を沢山読むようになった。
先生は君は必ず大物になるよと何回も言ってくれ、私は先生が言うのだからとその気になっていた。
大学受験を考えるにあたり、志望したのは当たり前のように文学が学べる学科だった。
なんとか志望した大学に入学出来た私は多くの良い出会いがあった。周りは皆大抵の小説は粗方読み漁っているような、俗に言う変人の集まりで、そんな変人達に勧められるがまま私もまた変人になっていった。
なにせ小説の一文についての解釈を巡って二時間ほど平気で議論出来るような面々だったため、楽しくて仕方がなかった。
また、現代小説だけではなく、レトリックや、古典文学についてであったりと様々なことを学んだ。
そして、就職をしたのは出版業界だった。実際に本を企画するところから出版して店頭に並ぶまでを実務の形で学んだ。
こうして思えば、私の人生は本や文学に支えられていたのかもしれないと最近思う。
どうか、この先もその縁が続く事を祈ってこれからも書いていこうと思う。
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