第10話

「よいしょっと」


天南の話しが終わるまで、私は現在、この施設の整理をしています。

整理と言っても、もう使わないであろう施設をこの世から塵も残さず、消しているだけですけどね。


「だいぶサッパリしましたね~」


広さ的にオーストラリアの3倍近くはありましたけども、今じゃそれが、東京ドーム並みの広さになりました。


「まぁ、大半が研究成果を保管しておく、倉庫だったり、書庫だったりするんですが・・・何言ってんだろ私、そろそろ天南達の話も終わるだろうし、戻る事にしましょうか」


資料関係は全部デジタル化して、保存しています。ただ人間達の使うモノはレベルが低いので、全部こちらで用意しましたけどもね。


「残っている、この資料はどうしましょうか」


『禁』と書かれたお札が大量に貼られている、箱です。


「これ、いつのでしたっけ?」


私は完全記憶能力者では無いので、憶えていないんですよね。

まぁ、この禍々しいオーラが隙間から溢れるモノなんて、開ける気が失せるので開ける気は無いんですけど・・・


「確認しておかないと、後々めんどうな事になりそうで嫌なんですよね」


・・・神様にでも預けておきましょうか?


「いや、でもな~自分で蒔いているだろう種だから、こっちで処理した方がいいよね・・・」


とりあえず、もっと厳重に封印して禍々しいオーラを閉じ込めておきましょう。

さっきから私の種族特性が、このオーラを吸い取りまくって、うっとおしいのでね。


「厄を吸い取るこの力、ほんと嫌ですね。しかも吸い取りすぎて、もうあの森というか土地から外へ出られないと言うし・・・」


もしあの土地から外へ出たら、この身体に溜まった厄が解放されて、最悪の場合は地球が滅亡するらしい。


「なんで土地にとり憑いちゃったのかな・・・」


どこか遠い目をしながら、天南達の部屋に到着しました。


「・・茶々、どうしたの?そんなこの世をいっそ消し飛ばすか。みたいな目をして、やめてよ。頼むから・・・」


部屋に入って早々に天南にそんなこと聞かれました。


「なんでもない、ところで話しは終わったの?」


「え、えぇ・・・終わってるわ。1つ聞いておきたいのだけれども」


天南が質問してきた。


「なにかしら?」


「あの子さぁ、半妖になっていたんだけど・・・」


おや、天南にはさすがに分かりましたか。


「私がやっておきました。安心していいですよ、寿命とかそこら辺は普通の人間とは大差ないですから」


「何やってるのよ・・・で、何が違うの」


「私達が使用する、妖術が使用できるくらいですね。まぁ迷惑料って事でね。まぁ、使えると言っても、誰かに教わらないと使用できない様にしていますから、そこら辺はあなた次第って事で」


「はぁ」


「それじゃ、戻りますよ」


「えぇ、分かったわ」


子供の方は・・・あれ、眠っていますね。まぁいっか

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