第8話


「天南~、終わったけど・・・うわぁ」


私のお人形部屋に戻ると、私のお人形に弄ばれている天南の姿が、見えました。美しかった毛並みがボサボサの状態で、ぼっろぼろの天南がね。


「たすけ…てぇ~」


「ねぇちゃん」

「ねぇねぇ」

「きつねしゃん」

「わーい、わーい」


「見なかった事に・・・」


「しないで!、助けて茶々~」


見なかった事に、出来ない様ですね。人変化の術も完全に解けちゃっていますね。


「ほらみんな、あっちに新しくおもちゃ作っておきましたから、天南から離れてね」


「「「「はーい」」」」


「おっと・・・、みんな行ってしまいましたね。っと天南、大丈夫ですか?」


新しいおもちゃに反応して人形は、隣の部屋に姿を消していきました。あの部屋はまだ途中段階なんだけど、それでも十分な感じだから、まぁいいか。


―チュドーン


「「「「わぁ~!」」」」


「あら?」


・・・やっぱり未完成であげたらダメみたいですね。


「・・・あの部屋に何があるの?」


そんなやれやれと、聞きに来ないでほしいですね。まぁ、答えてあげますとも


「AR式ゲームハウスですよ。まだα版ですので、バランス調整が出来ていないんですよね」


音からして、やっているのは戦場系かな?あぁ座敷童子としてのサガですっごく混ざりたい・・・混ざって一緒に遊びたい~!


「そう・・・」


なんですか天南その私に対する全てを諦めた顔は、いまさらじゃないですか。


「・・・いい加減にいきましょうか。件の子はこっちの部屋に移動させましたから、いきますよ」


「うん、行こうか。はぁ」


最後の溜め息、常人には聞こえないだろうけど、私には聞こえていますよ~


―――――


「ここです、あまn・・・どしたの、その格好?」


私達は件の子が運び込まれている部屋の前に到着しました。それを天南に伝えるために振り返ってみると、真っ裸な天南がいました。


「あの人形に奪われたままだって事を、忘れてて・・・」


そういえば、人化術を解いていましたね。その時に奪われたようです。そして再度人化術を使用したら、真っ裸な姿と・・・


「着替えはいちおう中にありますから、デザインとか古いですけど・・・」


「ありがと、二度とこの施設に入らないって心に誓いたいわ」


心の崩壊寸前みたいですけど、大丈夫なんでしょうかね。


「あぶらあげ・・・」ボソッ


「!?」


ピクッて動きましたね。それなら・・・


「100…くらいでしょうか?」


「1000でお願い!」


・・・ちょろいですね。


「わかりました、その変わり頑張ってくださいね?」


「うん天南がんばる~」


なんか、不安になってきました。ほんとに大丈夫かな?

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