第7話


今私は手術具を着て、手術台の前に立っています。


「さてまずは情報を再確認しましょう」


まずは子供の方から


――

名前【狗居くい 夏月かずき

種族【人間(人形化進行中)】

性別【女性】

年齢【12才】

身長【142.3㎝】

体重【42.7㎏】

――


こんな感じですね。私的には少し痩せ気味かな、と思っています。

天南の依頼は人間に戻してから、親元になる祖父へ返却して面倒事を回避したい、と言うものでしたね。


「さてはて、どうしたものか」


捨てた臓器は人工の物に変えるとしても、それだけだと面白みが無いんですよね。


「う~ん、せっかくですし、テストも兼ねて遺伝子にコレでも付与しましょう」


そうと決まれば、ちゃちゃちゃっと終わらせましょう。・・・天南にばれると五月蠅そうですし、黙っておきましょう。監視役はとりあえず『通届つかい』に任せましょう。


「あっ、そうだ。結界に阻まれない通信機は、こうすれば良かったのね。案外身近に解決方法ありましたわ、これが終わったら早速作って、実験しましょうか」


まさかこう身近に通信の解決方法があったとは、思いませんでしたね。


「ほい、っとと最後にこいつでトッピング~♪」


これで一応は人間に戻れたはずです。・・・人形化の最終段階近くで人間に戻したから、下手すれば不老になっていて寿命で、死ぬ事は無くなっている可能性が、無きにしも非ず。


「まぁ、あとは目が覚めるのを待ちましょうか。さっきの遺伝子操作で悪影響があったら、面倒ですからね」


え~と、『纏威てんい』を使いましょうか。細かい力加減は苦手ですけど、優しい子ですからね。それに付け加えるならば、もふもふしていますからね。

最初の頃はよく顔とか埋めて、堪能していましたね。・・・これが終わったら、久しぶりにお手入れしてあげましょう。


「式術『纏威てんい』、えっとこの子供をやさしく運びなさい、運ぶ先はここですよ。あっちの通路を使ってね」


「御意」


狗居ちゃんを命令通りに優しく包み込むように持って、私が指定した場所へと運びこんでくれます。


「あっと、纏威てんいこれが部屋を開けるための鍵です。持って行きなさい、奪われたらダメですよ?」


「了」


・・・行きましたね。ふぅ


「さて、天南を迎えに行きましょうか。・・・もう遊び終わっていると、良いのだけれどね」


手術具を脱いで、天南を置いてきた部屋に戻ります。

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