第6話
さて馬鹿、馬鹿と言われていますが、そんなモノその辺に捨て置いておきましょう。直面の問題を終わらせてから、考えればいい事ですからね。
「・・・と言う事で、私のラボに来ていただきました」
パチパチパチっと拍手をしました。・・・機嫌が悪そうですね、なにがダメなんでしょうかね。
「あなた家の地下にこんなの持っていたの・・・」
その地下室はとても広いものです。まぁ本当は亜空間とか次元の隙間、狭間とかが正しいのでしょうけど、正すほどのモノでは無いので割愛しましょう。
「件の子供は・・・あっちですね」
「子どもで人形を作るとか趣味悪くない?」
「何故です?、我々は妖怪でしょう。問題無いのでは?、それともアレですかね。永らくの間に人間社会で過ごしましたから、そんなのダメです。と価値観が人間のモノになったのですか」
「・・・・・・そうかもしれない」
「そうですか・・・っと着きましたよ、はいコレ」
目的の部屋の前に到着したので、天南にある者を投げ渡しました。
「腕輪?」
「この場所の鍵です。無くさないでくださいね?」
「OK、分かった・・・で?どうやって使うのコレ?」
「お手本を見せるので、その通りにやれば良いですよ。あと腕に装着してくださいね」
そう言いながら、扉の横についている端末にかざした。
―ピッ、ウィーン
そんな音がしながら、扉が開きました。
「一緒に入るんじゃダメなの?」
扉が開いてから、天南に質問されました。
「一応渡しただけだから、気にしないで良いよ」
そう答えて、一緒に部屋に入りました。
部屋に入ると周りには等身大の人形が、集まってきました。この人形達は本物だった者達です。つまり全員が、元人間です。
「刻茶ねー、いらっしゃい」
「おかえりー」
「あそぼ、あそぼ」
「ねーちゃだ!」
「キツネだー」
ひーふーみー・・・うん全部で5体、全員いますね。人間人形化技術は、最近の物だから、やっぱり少ないですね。
新しく入荷する予定だった子は、人間にもどして返さないといけませんからね。
「なんか悪趣味に見えてきたよ・・・どえわ」
天南はポツリとつぶやきましたが、人形達に遊ぼうとせかされた私の耳には、聞こえてきませんでした。
その後、尻尾を引っ張られて、鬼ごっこが始まりました。ぜひとも混ざりたいですが、今は返却予定の人間の元へいきましょうか。
「こっちですよー、天南ー」
・・・ありゃ駄目ですね、鬼ごっこに夢中になってる。とりあえず現在の工程をストップさせて、人間に戻しますか。・・・幾つかの臓器は、捨てましたから人工の物に変えないといけませんね。
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