会社員の六日目は歩き出す

朝はドアからのノックで起こされた。


ドンドン!


ドンドン!


「お客さ~ん。朝ごはん食べるなら早めに来てくれよ。」


…うぅ~。


もぅ、そんな時間か…


「ほら、早く起きてよ。」


「あぁ、起きる起きる。」


…あれ?誰と会話してんだ?


「…え?」


「ん?どうしたの?」


俺が泊まった部屋は個室なんだけど…


明らかに人がいる。しかも女の子だ。


「…何のご用でしょうか?」


「え?0.1ミリメガネを起こして朝ごはん食べに行こうとしてるだけだよ?」


そっか、なるほど…ってならないよ!!しかも名前知られてるし!何で?


「どちら様ですか?」


「そんなことはどうでもいいから、早くご飯行こうよ!」


「めっちゃ大事!貴方が何者かって言うのは、すごく大事なことだから!」


ドン!


「お前ら~!朝から喧しい!とっとと降りてこい!」



「ほら~、0.1ミリメガネのせいで怒られたぁ。」


「部屋に知らない人がいると誰でも大きな声になりますよ。とりあえず、出てって下さい。」


「じゃあ、早く着替えてね。」


……


「いや、そこは部屋から出ていって食堂とかでさ、

待つのが普通じゃない?何で部屋に残ってるの?


…え?着替えは見ないよって


…顔を手で隠してるけど、スキマ開いてるから。むしろガン見してるよね、それ。


もういいから、早く食堂に行って。」


「つまんな~い。」


「知らないよ。それより着替えられないから。早く下に行って。」


「はぁ~い。」


ガチャ。バタン。


「はぁ~。」


…いやいや、何なの?何で知り合いでもない女の子と同じ部屋になってたの?理由も教えてくれないし…


怖い怖い。


ガチャ。


「早く来ないと0.1ミリメガネの朝ごはん無いからね。」


「お前は俺の姉か妹か。」


…とりあえず、着替えて話を聞くか…


危険な人なら逃げよう。それか、ギルドに助けを求めよう。きっとハーベストの皆なら助けてくれるよな?…たぶん。


あ?もしかして…


自分が知らないハーベストの仲間の人なのかな?


…それなら可能性あるかも。


きっと、ギルドの職員からハーベストの皆に伝えてもらったんだよ。


…ドッキリでも仕掛けられてんのかな?


何かドキドキしてきたな。


どんな顔すればいいんだ…リアクション難しいな…


よし。着替えも済んだことだし、食堂へ下りていくか。


ガチャ。


「わぁ!」


「ぅおっ!」


ドアを開けたら、さっきの女の子が立って、俺を驚かしてきてきた。


「アハハ…」


「…何してるの?」


「食堂行ったら朝ごはん終わってたから、伝えに来たの。」


「何で驚かしたの?」


「…何となく?楽しそうと思ったから。」


「そんなの要りませんから。失礼します。」


「え?ちょっと、どこ行くの?」


「冒険者ギルドです。」


「私も行く~!」


「いや、1人で行くので、付いてこないで下さい。」


「えぇ~!なんで?」


いや、何でって…こっちが聞きたいわ!?


「いや、なんで付いてくるんですか?」


「え?だって当然じゃん。」


「え?」


「だって私、貴方のスキルだよ?」


「…?」


すきる?…好きすぎる?…いや、違うな。初対面だしな…


「何を言ってるか分からないんですが…」


「仕方ないなぁ…教えてあげよう。」


ナゼに、上から!?


「何かレベルアップするスキル…無かった?」


レベルアップするスキル…


「…あった…」


「そう!何を隠そう、私がエクストラスキル『道程』が進化した姿なのだぁ!ハッハッハッ…」


……


えええええええええええええええええええええええええええええええええええ…!!

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