閑話 VR課(3)
「…どういうこと?」
僕らは困惑していた。
「どっちも本当だとしたら…謎ね。」
「でも、2つともレイっちの名前あったよ?」
「…ウソとは思えねぇ。」
「そうだね。レイ君が僕たちにウソをつく必要がない。だからこそ謎なんだけどね…」
「ダンジョンをどうやって突破したのか…」
「俺達は入ってすぐの分かれ道で1ミリの痕跡を見つけた。ただ、それ以外は見つからなかった。」
「レイっちがヤバいくらい強いとか?」
「ないな。」
「ないね。」
「残念だけど…」
「…なら、休憩所の痕跡がホントで、ダンジョンがウソとか?」
「レイ君が有名ならあり得るかもしれないけど…」
「1ミリの正しい名前知ってるの俺らだけだろ。」
「ダンジョンから出るには、2つの道しか知られていない。1つは試練のボスと呼ばれている徘徊している強敵を倒すか、ダンジョンの最終地点まで行くか。だけど…」
「どっちも1ミリには無理だろ。」
「「「…」」」
「そして、休憩所のメッセージ。」
「…ダンジョンの前か後で意味が変わるわね。」
「前者なら、帰る前にダンジョンに入っていった。そしてそのまま、行方不明。」
ごくり。
誰かのノドが鳴る。
「…後者なら、ダンジョンから出られたが、その後、街には行かず、何処かに消えた…」
「…ホラー?」
「ホラーというより、サスペンスかしら?」
「…どうする?」
「…ダンジョンにもここにも手がかりがない。とりあえず、今後について相談するためにも街に戻る。」
「…分かった。」
「…はぁい。」
「了解。」
「…え?」
「え?」
ギルドに戻り、受付嬢にダンジョンがあったことを伝える。
「そんな…」
俺達のログも見てもらって間違いがないのを確認してもらう。
「昨日、川にダンジョンがあるって言っていたのが本当だったなんて…」
「え!?誰か他にもダンジョン見つけた人がいたの?」
「はい。あ!そういえばハーベストの皆さんを探されていましたよ。」
「「「だれ!?名前は?」」」
「あ、あの、えっと…名前は0.1ミリメガネ?さんです。」
「「「「はぁ~。」」」」
「…バッカみたい。街にいるなんて。」
「死んでなかったのね、良かった。」
「1ミリは何処にいるんだ?」
「こないだまでチュートリアルを受けられていました。
川の調査から戻られ、冒険者となられましたよ。
しばらくは街でゆっくりして、皆さんを探すって言われてましたよ。」
「良かった良かった。レイ君が街にいるならその内に合流できそうだね。」
「合流したら鍛えるか?」
「さんせーぃ」
「どんなスキルを持ってるか楽しみね。」
「そうだね…じゃあ各自、自由行動にするよ。もし、レイ君がいたら、連絡先の交換またはチームに誘うこと。いいね?」
「…おう。」
「…はぁい。」
「了解。」
「じゃあ、僕は先に戻って部し部長に伝えてくるよ。また後で、合流しよう。」
「…どうする?」
「いつも通りでいいんじゃない?何かあれば連絡ちょうだい。」
そういってメイさんは街に消えていく。
「私も帰る~。バイバ~イ。」
「…おう。」
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