会社員の四日目はお外で

ブゥォンッ。


ブゥンッ。


スケルトン・ダブルの骨を避ける。

続けて拳を避ける。


こっちは攻撃が全然出来ない。時折、足を狙ってみるものの


ゴン!


良い音がして、ヒビが入るようなエフェクトが出る。しかし、折れる様子もなく、痛がる様子もない。さらには時間が経つとヒビが治っている。


ヒビが入っても動作に問題がないのか、骨や拳で攻撃をしてくるので、ヒビが入ってる内にダメージを重ねることが出来ていない。


「手詰まりだ…」


このままだと、時間だけが過ぎて、体力が尽きたところを襲われかねない。


ここは…骨でも投げるか…最初に投げた時にアイツはブロックをしていた。


骨での攻撃が効くんじゃないか?


しかし、その後に拾われて骨を2本持って振るわれると、より一層厳しい戦いになつてしまう。


骨を拾ってる間に攻撃しまくるとか…


腕を狙うか…足を狙うか…


ええい!投げてから考える!


バックステップで距離を取り、骨を掴む。


「ぅおぉぉりゃ~!」


おもいっきり投げた骨は



手をクロスして防御していたスケルトン・ダブルの



頭のはるか上を越えて遠くへと飛んでいく。



……



やっちまった!

ダメージも何も与えられてねぇ!


しかも、

骨がかなり遠くまで飛んでいってしまったぞ!


…最後の1本を投げるか…


……


時間がどれくらい経ったのか分からないが、


腕をクロスしていたスケルトン・ダブルが動き出す。


…ちぃ、マズイぞ。


ところが、スケルトン・ダブルはその場で回転をして、後ろ姿を見せる。


ん?


歩きだした。俺から遠ざかっていく…


なぜ?


!!


骨を拾いにいったのか!?


や、ヤバイ。

骨を拾われる訳には行かないぞ!


慌てて追いかけていく。


後ろから攻撃を加える。


ゴン!


背中に当たった!それなのに、スケルトン・ダブルはこっちを向かないぞ!


「ちゃーんす!おりゃぁ!」


もう1回だ


ゴン!


背中にヒビのエフェクトが入った!

これは行けるか!?


ブゥゥン。ガスッ


「ぐっ、はぁ。…痛てぇ。」


もう一撃と思ったらスケルトン・ダブルは腕を振り回してきた。


予想してなかったから、当たってしまい、ぶっ飛んだ。


壁にぶつかってめっちゃ痛いが、手足は動くようだ。


スケルトン・ダブルはまた歩きだす。


背中にヒビが入ったんだ。もう少しだ。


身体が痛いと信号を出してくるが無視だ。


手足が動く内は攻撃あるのみ!


「っったりゃぁ!」


ブゥゥン。

スカッ。


振り回した腕をしゃがみこみながら掻い潜り、


スケルトン・ダブルの腰に剣を水平斬りのように叩きつける!


「んだらぁ!」


ゴン!バキッ!


…ついに、骨が砕けたぞ!


…ガシャン。


スケルトン・ダブルは、腰骨の1部が砕けたことで、バランスを崩し倒れこんだ。


手足をバタバタさせている。


今しかない!


渾身のチカラを込めて剣を振り上げ、下ろす。


ゴン!ゴン!バキッ!


ゴン!ゴン!バキッ!


なかなか動きが止まらない。スケルトン・ダブルも起き上がろうともがく。


俺もここで倒してやると全力で叩く。


「ハァ…ッハァ、ン、ハァハァ。…」


…どれぐらい続いたのか、気がつくとスケルトン・ダブルは動かなくなっていた。


『スケルトン・ダブルを倒しました。経験値100を獲得しました。レベルが上がりました。』


はは…結構な経験値が入ったな。やっぱり強敵だったな。


まさか、進化をするなんて…思ってもみなかった。


『システムエラー!システムエラー!レベルアップが出来ません。不具合が発見されました。システムの見直しを行います。システムの見直しを行います。』


「えっ?なん…で……」


俺はシステムエラーのコールを聞きながら、意識がなくなっていった…

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