閑話 現実に戻ったVR課の皆。

「あんなことになるなんて…」

「そうだな…」

「どぅ、どうしましょうぅ?」

「プリンは悪くないよね?」


「「「…」」」


「何とか言ってよ!」


「とりあえず…は…部長に話をするしかないよ。僕らでは打つ手立てがない。」


「…なら、部長に電話するぞ?」


「…あぁ、リッちゃん、頼んだよ。」


「電話なんかしなくてもいいよ。僕はここにいるからね。」


「「「「部長!?」」」」


「君たちどうしたの?この時間はいつもVRの中なのに…しかも全員が揃ってるなんて珍しいね?」


「「「「…」」」」


「おやおや、皆が黙るなんて。プリンちゃんも静かで突っ込んでくれないし…本当に何かあったの?」


「実は…かくかくしかじかで…」


「う~ん、そうかぁ…」


「ごめんなさい。」


「プリンちゃんは何で謝るようなことしたの?」


「…最初のデータ移行はとても気持ちが悪く、人によっては数日、体調不良が続きます。しかし、デー「マッパ君」タ…」


「僕は君に聞いてないよ。プリンちゃんに聞いてるんだ。マッパ君、でしゃばり過ぎだよ。」


「…ごめん…なさい…」


「あぁ、泣かないでプリンちゃん。ちゃんと事情を説明してくれるかい?」


「…マッパの言う通り…です。」


「う~ん…なら、プリンちゃんは良かれと思ってルールに無いことをしたんだね?」


!ビクッ!


「…なぁ、部長。プリンは「リッちゃん。」」


「僕は今、プリンちゃんと話をしているんだ。君は出てきてはいけないよ。その優しさは後悔することになるって…知ってるよね?」


「…」


「まぁいいよ。データ移行については検討してみるね。

作為的に行った訳ではないのなら、再登録の可能性はゼロではないだろうし、また、今回みたいなイレギュラーを簡単に起こせるなら、それはそれで困るからね。」


「「「ありがとうございます。」」」

「部長…ありがと。」


「ところで、その新人君は今は向こうで何をしているんだい?何か指示を出しているのかい?」


「いえ、特には…すぐに戻る予定でしたので…」


「…それマズくない?」


「え?」


「彼、放っておかれた訳でしょ?好き勝手に動いたら君達の評判も下がってしまわない?」


「彼は真面目ですから大丈夫ですよ。」


「でも、1日で戻るとしても、向こうで数日は過ぎてる訳だよね?」


「あっ!!」


「どうしたの?プリンちゃん?」


「ヤバい…レイっち…チームに入ってない…」


「「「「えっ!?」」」」


「誰かレイっちにチームの申請出した…?」


「「…」」


「チームに入ってないからお金もないし、コネもない…う~ん、彼…死なない?それか、あの街から離れたりしない?」


「「「死にそう…」」」


「…とりあえず、僕が対策するから、君達はVRに戻れるようになったら、すぐに彼を見つけること。いいね?あと、チームに誘うのを忘れないでね?」


「「「はい!」」」


「忘れたら…ワカッテルヨネ?」


「「「イエッサー!」」」

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