会社員は三日目から外へ出る?

ハハハ。


薬草は街の中に生えてたぜ。


ウソだと思うだろ?俺も思ったよ。


でもさ、矢印が明らかに街の中を指してるからさ、そこにいったら道端に薬草が生えてたよ。


…ウソだろ。なんでこんなところに生えてんだよ…


そして、子供でも出来ることをクエストにするなよ。


えっ?街に生えてるのを知らない冒険者もいるから、情報の大切さを伝えるために必要?


俺のワクワクを返せ!!


…まぁ、いい、次だ次。


・近くの魔物を倒してこい

・川を掃除しろ


ここは魔物を倒してこいの1択だ!


『近くの魔物を倒してこい』を受注しました。

街の外へ出て、魔物を倒してきてください。


今度こそ外だよな?


矢印の先を見ると門の外へと伸びている。


よしよし。今度こそ外に行けるぞ!


ついに…街の外かぁ。門に向かって歩いていく。


どんな世界が広がっているのか…


ワクワクが止まらねぇぜ!


これから俺の冒険は始まるんだ!






ぐぇぇ。


「おい、坊主。見ない顔だな。」


門に立っているオッサンに首を捕まれる。


「こんな時間からどこ行くんだ?もう少しで夜になるが、そんな格好で何処に行くんだ?夜になると魔物が強くなる。死ぬぞ?」


「ケホッ。ゴホッ。ちゃんと防具も着けて、剣も持ってるじゃないですか。何がいけないんですか?」


「いや、死にたいなら止めないけどさ…

…お前、その装備であいつら倒せるの?」


あいつら?

オッサンが街の外を指差したので見てみると、


犬?狼?の魔物が5、6頭ぐらい現れた。

集団で馬車を襲うのか、馬車の様子を見ている。


しかし、馬車の護衛が魔物を牽制して攻撃、

魔物達は攻めあぐねている。


その間に馬車は街へと向かって逃げだした。


…回り込まれることなく、馬車は無事に街へと入って来た。魔物達は馬車を見送ると森へと帰っていった。


それを確認して護衛達も街へと入ってきた。


「…あれ1人で倒せるの?夜はアイツら、よく出てくるよ?」


はい、ムリで~す。死にま~す。


「朝になったら弱い魔物達が動き出すから、魔物退治は朝にしとけ。」


「はい!分かりました!さようなら!」


俺は、その場でくるりと回転して、街の中へと戻って行きましたとさ。


めでたしめでたし。


いや、始まってもないから!


明日!明日から俺の旅は始まるんだ!

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