ここはどこ?

遠くの方でガヤガヤと騒がしい音が聞こえてきた。


ボケッとした頭が起きてきて、どうやら横になって寝ていたという状況が分かってきた。近くで大勢の人が賑やかに話している声が頭に響く。


(やかましいなぁ……。寝てるのに静かにしろよ……)


…………


……


あれ? 俺、何で寝ているんだ?


たしか、出勤して……地下に下りて……


そうだ! VR課だ!


ガバッ!


俺は一気に目が覚めた。


ベッドの上で目が覚めたんだが……どうやら、まだ夢の中らしい。


「お、おぉ! 起きたようだね。大丈夫?」


そう優しく声をかけて手を差し伸べてきたのは、


豚だ。


どっからどうみても


二本足で立っている豚だ。


俺は驚き、言葉は出ない。が、頭は冴えているようで、今まで豚をまじまじと見ることは無かったが、意外とつぶらな瞳をしているんだなという感想を持った。


「どうしたんだい? 何か問題でもあったの?」


腰をかがめて豚が近づきながら話しかけてくる。


俺の視界は豚で一杯だ。


「おい、大丈夫か?」


俺の肩に何かが触れた。驚き、声のした方向に顔を向けると、そこには

爬虫類の顔をした生き物が牙を剥き出しにして、俺を見ていた。


「…ばっ…きゅぅ…」


急に呼吸が出来なくなった俺は、再び暗闇の世界へ誘われていくのだった。

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