愛人契約？

第7話

「ん……んふ……あ……ん……。ま、まだ揉むのか……？」

「ええ。本当に、沙也加さんのオッパイは良いですね。いつまでも飽きないです」

「そ、そうか……」

　好きにしろと言った手前、琢磨の自由にさせているのだが、後輩は本当に飽きもせず沙也加の豊かな胸を弄り続けている。動きが単調になれば飽きてきているのが分かるのであろうが、琢磨は実に多様な揉み方をしていた。

　単純に力強く鷲掴みにすることもあれば、マッサージをするかのように柔らかく揉み上げることもある。乳首を摘んで引っ張っているかと思えば、陥没させるように指を押し込むこともある。タプタプと重さを確かめるように揺らすこともあれば、牛の乳搾りのように握ることもある。左右で同じいじり方をすることもあれば、まるで違う触り方をすることもある。

　乳房を揉む。ただそれだけのことを、童貞の後輩は実に面白そうに楽しみ続けていた。

　一方、沙也加の方も、琢磨の手がもたらす快感に身体を捩らせていた。実際、後輩は沙也加の反応を面白がって愛撫しているようだ。

「……琢磨？」

「はい？」

「そろそろ、他のところも、な？」

　そう言って、沙也加は自分の胸を楽しそうに弄っている琢磨の手を掴むと、しっとりと湿り気が感じられる秘所に導いた。

「う、わ……」

「ん？」

　女の秘所に触れるなど初めての体験であろうが、それにしては琢磨の反応は予想外の驚きに満ちていた。

「すごい……。女の人が濡れるのって、ホントにビショビショになるんですね」

「ふえ……？」

　後輩の物言いに驚いた沙也加は、琢磨の手を押しのけるようにして自分の下着の中に手を差し入れた。そして予想外の手触りに、さらに驚きの声を上げてしまう。

「う、そ……」

　これまで沙也加は、セックスの時でも普通に濡れていたし、オナニーでも普通に愛液を分泌させていた。しかし、これほどまでに秘蜜を湿らせていたのは初めてであった。いや、湿らせているどころでは無く、淫らな汁は沙也加の奥から岩清水のごとく溢れ出ていたのだ。

　童貞の琢磨が女の濡れ具合に驚くのも無理はないと言える。だが、沙也加自身も、自分の濡れ具合には驚かずにいられなかった。

　――ああ、人に教えてるどころじゃ無いな……。私も、セックスがこんなに昂ぶるものなんて知らなかったんだ。

「いいよ、琢磨。触られるのが、とっても良い。もっと触って。もっと私を、確かめて」

　再度、琢磨の手を自分の秘所に導いて、沙也加は背中を預けた態勢のまま、身体を後輩に向けて捩った。

　ねだるように。

　甘えるように。

「沙也加さん……、見ても、良いですか？」

「ふあ？　あ、あはは、そうか、やっぱり興味あるよな」

　そう言って、琢磨に背中を預けていた沙也加はスッと立ち上がった。そして後輩にムッチリとしたお尻を向けたまま、唯一残った下着に手をかける。

　――私ってば、なんてハレンチなコトしてるんだろ。オトコの目の前で、エロくお尻を振りながらパンツを脱ぐなんて……。

　自虐的な思考に酔いながら、沙也加は琢磨の目の前で最後の一枚を下ろしていった。腰を振り、お尻を揺らしながら、無言で自分の秘所を見つめる後輩の視線を意識して身体をかがめる。そして足から下着を抜いた瞬間、沙也加の腰は男の力強い手で掴まれた。

「ひあん！」

　同時に、沙也加の秘所に生暖かい感触が押し付けられた。そしてその感触は、甘く淫らな快感を伴っていた。

「ちょ、た、琢磨……！　い、いきなり……食べないでっ！」

　食われる。

　沙也加は反射的に、自分の下半身に食いつかれたような感じを覚えた。もちろん、実際に食べられているわけでは無いのであろうが、淫汁溢れる媚肉にむしゃぶりつかれている沙也加は、初めて女の秘所を目の当たりにした琢磨に食べられそうな気がしたのだ。

　それほどに、琢磨の媚肉に対する「食い付き」は激しかった。

「ふ、ああああん！　いいっ！　それっ！　いいっ！」

　琢磨にお尻を食い付かれた格好の沙也加は、両手両足を伸ばした態勢で四つん這いになっている。割と苦しい態勢である筈だが、琢磨の舌がもたらす野生的な、というより野獣的な舌遣いに、沙也加はむしろ積極的にお尻を持ち上げて琢磨の顔に押し付けていた。

「ふ……うううん！　いいっ！　もっと！　食べてっ！　私を食べてぇっ！」

　沙也加に言われるまま、琢磨は淫汁溢れる先輩社員の媚肉に舌を這わせ続けた。割れ目に舌を挿し込み、音を立てて漏れ出てくる愛液を吸い取る。舌先を尖らせて、充血して膨れ上がったクリトリスを突く。両手で尻肉を鷲掴みにし、爪痕が残るくらい揉みしだく

　舌と、手と、唇で、琢磨は沙也加の女の部分を喰らい続けた。

「ちょ……、待って！」

　食べてと言ったり待てと言ったり沙也加の言動はブレブレであったが、それはいきなりの刺激に余裕が無くなっていることの証明である。

「私……、イ……ふぁ……あ……はああああん！」

　四つん這いのまま琢磨に尻を突き出していた沙也加は、身体をビクビクと震わせながら崩れ落ちた。

　自分の力で後輩に向かってお尻を突き出していたのだが、下半身から全身に広がった激しい快感に力を入れていることが出来なくなり、琢磨にお尻を向けた格好でベッドに崩れ落ちた。

「はあ……はあ……。ど……、童貞に、イかされちゃった……」

「沙也加さん、今、イッちゃったんですか……？」

「聞き返すな、バカ……」

　お尻を琢磨に向けたまま、沙也加は首を巡らせて答えた。身体に残る快感の余韻を楽しみながら、琢磨の顔を見る。オンナをイかせた事に喜びの表情を浮かべていると思ったのだが、しかし自分をバックから見つめる後輩の顔には、戸惑いと妙な寂しさが浮かんでいた。

　一瞬、なぜ琢磨がそんな表情を浮かべているのか分からなかったが、ボクサーブリーフの中ではちきれそうに膨らんでいる後輩のモノを目にして気が付いた。

「どうした？　さっきまであんなに情熱的に私のお尻に食らいついていたのに。もっと好きにしていいんだぞ？」

「え、でも、沙也加さん、もうイッちゃったんですよね……」

「ふふ、やっぱりそうか……。女はな、男と違って何度でもイけるんだよ。だから……」

　背中越しに後輩を見ていた沙也加は、身体を返して琢磨に向き直った。そして、両手を広げて男を迎え入れる格好をする。心持ち、足を広げて。

「おいで、琢磨。お前のその元気なモノを、私に……、きゃうっ！」

　沙也加は誘いの言葉を最後まで言う事は出来なかった。琢磨がいきなり抱き付いてきたからだ。

「沙也加……さん。じゃ、じゃあ、いきます」

「何度も言ってる。一々断るな。私の身体はお前を迎え入れようとウズウズしてるんだ。お前の、コレをな……」

　抱き付かれたまま、沙也加は両手を下げて琢磨の股間でいきり立っている肉棒に触れた。ボクサーブリーフの先端が、まるで女のように先走りでじっとりと湿っている。

「それとも、私からした方がいいか？」

「い、いや、自分で、しますっ！」

　何故か慌てた風に琢磨は美人な先輩からいったん離れると、ボクサーブリーフをいそいそと脱ぎ捨てた。先走りに濡れた肉棒が、沙也加の目の前に現れる。

「すご……」

　まさに凶器、と沙也加は感じた。ようやく目にした琢磨のモノは、彼自身の腹につかんばかりに天を向いてそそり立っていた。琢磨のオスを象徴する肉棒は大きさも十分であるが、何よりとても硬そうに見える。それに手を優しく添えると、沙也加は濡れる自分の中心に導いた。

「ここに……、そう……、先を当てて……、あんっ！　女もソコは敏感なんだ。そう、ゆっくり腰を落として……、ふ……む……。いいぞ、最後まで、奥まで突き入れるんだ……。ん……あっはああああん！　その……まま……。ううん！　ふと……、かた……い、あああああっ！」

　自分の中に分け入ってくる太くて硬い琢磨自身に痺れるような快感を覚えた沙也加は、男の逞しい身体を抱き締めながら、溢れる感情のままに愉悦の声を上げた。