第4話 はじめまして異世界

「お兄ちゃんのばか!なんで足元ちゃんと見ないのよ!」



「そうだぞ!海斗、お前は本当に注意力が足りん」



二人に散々怒られて今に至る。



「それにしても・・・飛んでいるようにみえたが・・・」おじいちゃんの頭に?マークが出ている。


「あ、いやぁ、孫を助けて頂きありがとうございます。」



おじいちゃんはローブの天使(仮)をみつめてに深々と頭を下げた。



「うむ。間一髪というところだったぞ。さて、それにしてもお前たち、変わった格好をしているな。このあたりの者か?」



「えっと、確かにこのあたりに家があることはあるんだけど・・・なんていうか・・・」



僕はローブの子に今までのことを話した。



ローブの子はその美しいブルーの瞳を丸くした



「なに?お前たち、まさか異次元の迷い子か!」



「異次元の迷い子?」



「ふむ、召喚者ともいうがな、実に珍しい・・・この国の名はエルデというが、お前たちはどこから来た?」



「僕たちは日本という国から来たんだ」



「二ホン・・・う~ん、やはり聞いたことがない。」



「逆にエルデなぞという国、ワシも聞いたことがないわい」おじいちゃんは顎を擦りながら考えている。



さっきからいやに大人しい彩菜はローブの子の顔を食い入るように見ている。


いや、その気持ちわかる。ずっと見てられそう。




「フフフ、我の顔が珍しいかい?君たちの世界ではどんな種族がいるのかね?」


ローブの子はその陶器のように白くて細く長い指をフードにかけた




パサリ・・・




フードをとる




僕らはそのこから目が離せなくなった。


陽に輝く銀色の髪、耳の上には・・・なんと角がついている・・・羊の角のような形の角は黒曜石のように艶やかな漆黒・・・


「我は魔族の国、イグニスの魔法使い。名をクロム・ナイトスカイという。クロムでよいぞ」



「す・・・すごい・・・本物の魔族・・・現実にいるんだ・・・しかも魔法使い」



「ふむ、魔族は初めてか?お前たちの世界にはいないのか?」



「物語で聞いたことしかないよ。凄いな・・・、僕らの世界ではそうだな、種族は人間だけだね。」


「そうか、それは残念なことだ」



「僕の名前は上月 海斗、で妹の彩菜、それからおじいちゃんの真一だよ」



「カイト、アヤナ、シンイチ、・・・うむ。」



おじいちゃんは角をこれでもかというくらい見つめている、絶句。血圧・・・上がらないといいけど



「では」


おもむろにクロムは立ち上がりその美しい顔に笑みを浮かべ、両手をひろげて僕らに言った




「ようこそ異世界に!」




見上げると空は僕らの世界と同じような青なのに薄っすらと紫色の小さい惑星に、少しピンクがかっている大きめの惑星が浮かんでる。


翼に炎をまとっている鳥が太陽めがけて気持ちよさそうに飛んでいる。森の木々は歌うように風に揺られてる。僕らの世界とはどこか似ていて全然違う。






とりあえず、初めまして、異世界!


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