第7話

内海屋が恨めしそうに睨んでいる


鳥遊里は生気のない目で虚空を見つめている



紫香楽はたまらなくいやらしい笑顔で


「君はやっぱり勝てないんだよ」と


「まだ僕達を頼って逃げるしかないんだよ」と


嫌味ったらしく囁いてくる。



クソが。


クソがクソがクソが。



何故



いや、違うのだ



そうなのだよ、残念なことに私は

彼に言い返すことが出来ない


事実だ


内海屋を加害者にしたのは私


鳥遊里を偽善者かつ自称被害者に仕立てあげてしまったのも不本意ながら私



そしてその責任全てを紫香楽に押し付けて逃げて忘れたフリをしているのも私。




救われようがなかった。


謝っても許されない?


いや、誰が


誰が許すのだろうか



万人全てに謝ったところで、その中の仮に1人が自称高尚な奴で、許そう

と一言言ったところで


そいつに許されたことで私は


私を許せるのか????


紫香楽は私を許せるのか????



紫香楽は私なのに


私が私を許せなくて


紫香楽も私を許せなくて



あは



あははははは



なんだ、簡単な事だ



許されなかったんだ


最初から。




許される為の旅など最初から始まってはいなかった。


苦しかった私が作り出した幻想だった。



何がしたいのだ。私は。



ただどうしようもなく


生きてみたかったのか。



今日も口渇が酷い。


心臓が痛い。



いつまでこんな所にいなきゃいけないんだ。


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