第6話

内海屋に問うた。


「君のその正論で救えるか?」と


「その正論に倒れた者がいることを知らないのか?」と



彼は答えた。


「ならば君の邪論で誰が救われた?」


「君のそれは、誰がやった?」



堪らない

下らない

なんたる茶番だ



ボロボロの手首を見て


もう乾いた笑いしか

出てこなくなっていた。


私は正論が嫌いだ


だがそれは向こうも同じようで



正論も決して私のことが好きではなかったようなのだ。

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