第1072話 ジャングルの今の状態
俺とアルと風音さんが競争クエスト情報板を、サヤとヨッシさんとハーレさんで情報共有板を確認していくという事で手分けして情報収集を開始!
ザック : だー! ここって食虫植物がいるんかよ!?
招き猫 : 拘束されると厄介だから要注意だよ!
神奈月 : よし、参戦! ジャングルのマップ情報って、エニシのとこで手に入るのか?
ラーサ : それはミヤビのとこだね。今回の新エリアはマップ情報の提供で情報ポイントは手に入らないみたいだから、各自手に入れておく方がいいよ。
ケイ : お、そうなのか!
アルマース : それは地味に知らなかったな。
ふむふむ、今回のマップは踏破情報の提供で情報ポイントは貰えないのか。すっかり忘れてたけど、そういう事ならマップについては後で情報を提供した後に、最新版のマップを貰っておこうっと。
ザック : おっ! ケイさん達が来たか!
ミゾレ : 確か、検証の中継をしていたと聞きましたが、それが終わったという事でしょうか?
ケイ : 検証としては不十分なとこはあったけど、俺らだけじゃどうしようもない案件だったから、まぁひとまずは終わりって事で。それで現状が知りたいんだけど、どんな感じ?
翡翠 : ……今は、マサキの捜索中。……赤の群集の動員が目に見えて多いよ。
ディール : 赤の群集は隠れて動く気はなさそうだな。逆に青の群集はさっぱり姿が見えやしねぇ。遭遇しない訳じゃないから参戦してきてはいるが、隠れてるから要注意だぜ。
カリン : 青の群集が今回は厄介だね。
招き猫 : 赤の群集との戦闘になってたら、奇襲でまとめて狙ってくるんだから嫌になっちゃう。
カリン : どうも倒すのが目的じゃなくて撹乱狙いみたいだから、そういう作戦っぽいね。
翡翠 : ……相手次第だけど、そういう場合は赤の群集と共闘もしてる。
ザック : なんつーか、赤の群集の方が正々堂々って感じだな! 青の群集はゲリラ戦か!
風音 : ……ちょっとそれは意外?
ハク : それが陽動でなければいいんだがな。
アルマース : その可能性は考えておいた方がいいか。
どうやら赤の群集は隠れずに盛大に動き回ってるっぽいけど、その裏に何かがある可能性は排除しない方がいい。赤の群集と青の群集の事前に打ち合わせしていた状態をひっくり返した訳だし、単純にそれで戦力がこっちに流れ込んできてる可能性もあるしな。
内容的には青の群集の不満が爆発して暴れ回ってもおかしくはないけど、冷静に隠れてゲリラ的に戦ってるなら……それはそれで厄介か。
どうもまだこっちにはベスタはいなさそうだし、青の群集との協議の方はどうなったんだろ? あー、でも今日の夜の19時までにって話だから、すぐには決まらないか? いや、そこはサヤ達が別で情報を仕入れてくれているから、今は考えなくていい。俺らが確認すべきは、ジャングルの攻略状態についてだ。
ケイ : 倒すべきボスっぽいのは見つかった?
招き猫 : ボスらしきものはまだ見つかってないねー。勝利条件がまだ分かんない。
フェルス : このジャングル、相当広いしなー!
蒼弦 : ケイさん達が来たのなら、Lv10の魔法の確認に回っていた検証勢がこっちにやってくるか。
アルマース : それぞれの状況次第だが、そうなる可能性は高いな。
神奈月 : よっしゃ、それじゃサクッとマサキを見つけちまおうぜ!
ミゾレ : 今は何をすべきかの情報が非常に少ないので、行方不明のマサキを探すのが優先ですね。
ケイ : なるほど。
うーん、思った以上にクエストとしての進展らしき進展はなしか。赤の群集や青の群集の動きは少しは分かったけど、それが全貌とも思えない。ただ、ミヤ・マサの森林での競争クエストをご破算にしたから、その分だけどこの群集もジャングルへ攻勢を仕掛け始めてる感じはするね。
ザック : おっ!? あれってマサキじゃね!?
翡翠 : ……ザック、どこ!?
蒼弦 : マサキが見つかったか!?
ザック : ほら、なんか骨っぽいのを……って、あれってなんかの頭蓋骨を被ってねぇ!? うわっ、なんかキツネの全身が骨の鎧みたいなので覆われてんぞ!?
翡翠 : ……見失った。
招き猫 : えぇ!? マサキ、そんな事になってるの!?
蒼弦 : ザック、座標を教えろ! オオカミ組で連携して、探し出す!
ミゾレ : お願いしますよ、オオカミ組。
ハク : 近くであれば、捜索に動こう。
ザック : おっし、座標はここだ! 【現在地】
ふむふむ、座標を見た感じでは今いる安全圏から見て、かなり北の方か。でも、マップの踏破情報が無い位置だから、具体的な地形がどうなってるかは分からないな。
てか、骨の鎧を着たような状態のキツネのマサキか。どう考えてもまともな状態じゃないっぽいし、このジャングルで初めて出てきたスケルトン系の敵が関与してそうだ。
ケイ : ザックさん、フィールドボスみたいに何かボスっぽい演出は?
ザック : いや、何も無かったぜ! あ、識別すんの忘れた!? てか、キツネだったからマサキっぽい気はしたけど、マサキって名前も見てねぇ!?
翡翠 : ……NPCの緑のカーソルが黒く染まってるように見えた?
神奈月 : それ、大事なとこじゃん!?
ディール : まぁ、それらしきものが発見出来ただけでも良しとしよう。
蒼弦 : オオカミ組で、その周辺に近いPTを2PT送り込んだ。近くにいる人達は、会ったら連携して動いてくれ。
ラーサ : 丁度近くにいるし、分かったよ。
肉食獣 : ほう、やってきてみれば進展があったところのようだな。オオカミ組がマサキの方へ向かうなら、俺らモンスターズ・サバイバルは他の群集の抑えに行こう。
カステラ : へぇ、そっちの方なんだ。飛翔連隊はそっちに向かうよ!
蒼弦 : おう、任せたぜ!
他の群集もいるんだから、闇雲に全員でマサキらしき異常なキツネを追いかけ回す訳にもいかないよなー。俺らはどう動く?
「ケイ、俺らはどうする?」
「それは俺も考えてたとこ。でも、まだその結論は保留で。サヤ達の情報も総合して考える。……識別が出来てないなら、必ずしもマサキとは限らないしな」
「……他の群集の……群集支援種の可能性?」
「そういう事だな。少なくとも、各群集に1体ずつ同系統のがいると思った方がいい」
「……そりゃ違いねぇ」
多分、その辺は他のみんなも承知のはず。だけど、マサキでも、マサキでなくても、それを見つけ出す事は今の時点で最重要事項なのは間違いない。その骨の鎧を纏うキツネが、一体どういう存在として扱われているのか、それを把握しない事には先に進まない。
ディール : よし、俺は同種の奴がいないか、その辺を探っていくか。
ハク : あぁ、それは俺もやっていこう。
アルマース : まずはどういう扱いになっているか、その確認が優先だな。
蒼弦 : 骨の支配種に操られているだけで解放すべきなのか、倒せる状態に進化してしまっているのか、そもそも味方のマサキかどうかの確認は必須。
招き猫 : そだねー! もし他の群集の群集支援種なら、倒さずに捕縛の方が良いかもだし。
ケイ : だなー。あとは、そもそも今の段階でそのマサキらしきキツネが何をしてるかだな。
翡翠 : ……襲ってはこなかった?
ラーサ : 今は半覚醒の状態で、支配に抗ってる最中って事は考えられないかい? 骨はどう考えても異常な個体って判明しているんだからさ。
ディール : 確かに未知の進化が出てきている以上は、その可能性はあり得るな。
ケイ : あー、進化の途中って可能性か。あの骨のやつの進化は、瘴気が絡んでたし、可能性はありそうだ。
ハク : そうなると、今はマサキと扱うとして、マサキは瘴気を集めて完全に進化完了させる為に動いている?
肉食獣 : 可能性はありそうだな。それだと、瘴気の濃い場所で待ち構えるのもありか?
招き猫 : あ、それなら瘴気収束で意図的に狙えるっぽいよー!
カステラ : そういやそんな情報もあったっけ!?
神奈月 : 瘴気収束で、マサキを誘き寄せる事も出来る!?
ミゾレ : その辺は試してみるしかありませんね。
蒼弦 : それはオオカミ組の方で試してみるか。人数が多くて、連携が取れている共同体でやる方がいいだろうしな。
ハク : 任せるぞ、オオカミ組。
さて、これについては実際に動きがあるまではどうかは分からない部分だけど、それでも少なからず進展はあった。てか、瘴気収束にここで出番があるとは思わなかったな。って、ちょっと待った。
ケイ : ちょい質問! 瘴気収束を使えば、異形の進化個体は意図的に誕生させられる?
招き猫 : 未成体Lv30がいたら、進化の誘発は狙えるみたいだよー! ただ、無所属が転移してこれる入り口も作っちゃうみたいだけど……。
アルベルト : 何人か無所属を仕留めてしまったけど、あれで良かったのか……。
ミゾレ : まだ解放されていないエリアに飛ばされるという話ですからね。どのような状況になっているのか、把握出来ないのが痛いです……。
うげっ!? 状況的に仕方ないような気はするけど、既に何人も無所属の人を他のエリアに送り飛ばしてしまってるのか。しまったな、そんなデメリットも存在してるとは……。
「ケイ、そろそろ時間だ。これ以上は動きが出てからじゃないとどうしようもないから、一旦切り上げるぞ」
「ほいよっと。この辺は誰かが常に情報確認の担当をしといた方が良さそうだな」
「……そうかも?」
誰がいつどこでマサキらしき異常なものを見つけて情報を得てくるかが分からないし、その情報はここからは重要になってきそうだもんな。考えられる攻略手順としては、なんとかマサキを正常化してどこかに導いてこのエリアの支配権を確保する事か。
なんか既にこのジャングルを支配してる敵とかいそうだけど、それが倒すべきボスなのかもしれない。でも無限ループになって出られない安全圏の南側の方はどうなるんだろ? あー、まだまだやる事は多そうで分からん!
「ケイ達の方も収穫はあったみたいかな?」
「こっちも色々と情報は仕入れてきたのです!」
「手早く情報の整理をしていこっか」
「だな! 先にどっちから話をしていく?」
「私達の方が先でもいいかな? 青の群集はミヤ・マサの森林での事はどうするかは決まって、こっちに主戦力が流れ込んでくる可能性があるみたいだから」
「その内容は先に聞いておくべきだな」
「確かにそうだなー」
「……青の群集……絶対に潰す!」
おー、風音さんが完全に敵意を剥き出しにしてるよ。まぁ青の群集とは仕切り直しにしたとはいえ、風音さんとしては楽しみを中断させられた事には変わりないもんな。協議が終わって主戦力がこっちに流れ込んでくるなら、風音さんにとっては変わらず報復対象か。
それにしても、青の群群集はもう決定を下したのか。タイムリミットは19時って話だったのに、随分早いもんだね。……まぁなんとなく満場一致で戦う事自体は決まりそうな気はするけど。
「それじゃ、サヤ達の方の報告から頼んだ!」
「分かったかな! えっと、まずはさっきも言ったけどベスタさんとジェイさんでしていた協議は終了になったとこだって」
「それで青の群集対策として、ベスタさんが風雷コンビを筆頭に、戦力になる人を引き連れてこっちに来るそうです! トーナメント戦の根回しを終えたレナさんやダイクさんとか、実践型の検証勢の人達もそれなりに来るってー!」
「赤の群集も青の群集も大人しくしてないだろうから、検証してる場合じゃないって判断みたいだね」
「お、マジか!」
そっか、青の群集の主戦力がこっちに流れ込んでくるという事なら、その協議を行っていた人や、検証に労力を割いてる場合じゃないか。……色々とひっくり返した事で、結果的にジャングルに全群集を集めてしまった感もあるなー。
「……全群集が入り混じって……総力戦?」
「結果的にはそうなるのかもな。……赤の群集と青の群集がお互いに消耗するなら、昼から総力戦をするとしても条件は一緒って判断か」
「あー、そうなるのか……。うーん、ちょっとどっちも煽り過ぎた?」
「いや、そこは問題ないだろ。あの不利な状況で無理に戦うよりは良かったはずだしな」
「それは同感なのです!」
「青の群集の思い通りに動かされてたあの状態は危なかったしね」
「……それもそうか」
結果的には3つの群集がそれぞれに同時に戦力を動かす状態になったんだし、これはこれで総力戦とも言える。出し抜き合いを考える状況で全勢力が同じタイミングで動き出す状態を作るのは難しいけど、流れとしてはそういう形にはなった。
ある意味、これも総力戦か。まぁ海エリアだけはどうしても動向が変わってくるから何とも言いにくいんだけど……って、よく考えたら海エリアの人がこっちにくる可能性もあるんじゃ!? この辺はしっかり確認しておかないと危ないぞ!
「青の群集は、海エリアからの増援はあり得る?」
「それは大丈夫みたいかな」
「海エリアでも、全群集が揃って競争クエストに動き出したそうなのです!」
「だから、こっちまで増援に来る可能性は低いかも? ただ、個人単位で動く人までは分からないけど……」
「まぁそりゃそうだ」
どこに参加するかは個人の自由なんだから、そこは制御出来る訳がないもんな。そもそも海の種族でも普通に陸で活動してる人は結構いるし、そういう意味では半分は海の種族の俺らは言える事でもないしなー。
「あ、それとこれは大事な内容かな。青の群集との協議の結果は、明日の12時まではどっちも攻撃は無しって事になったよ」
「……明日の12時まで?」
「それ以降は、どのタイミングで攻めても良いって事になったのさー!」
「ほう? それはどっちの提案だったんだ? 随分と青の群集に有利な気もするが……」
「青の群集からだって。ベスタさんは今日の20時以降に設定しようとしてたけど、流石に連戦になるのは許容出来ないってジェイさんが突っぱねたみたい」
「妥協案として、明日の12時まではミヤ・マサの森林での競争クエストは休戦となったのです!」
「……青の群集……自分達から……仕掛けておいて!」
風音さんの言う事も分かるけど、流石に同じく日に3戦をするのは厳しいだろうしね。ジャングルの方は結果が出るかは分からないけど、それでも楽な状態ではないはず。
まぁある程度の時間が決まっていれば、今日みたいな急な襲撃に慌てる事はないしね。ただ、明日の12時までだと青の群集に新たな作戦を練られそうな気もするよなー。その為の時間稼ぎな気もする。
「……今日の夜は、明日に備えて鍛えていくか」
「ま、それが妥当なとこだろうな」
「その為にも、これからのジャングルでの競争クエストを頑張るのです! という事で、私達の報告は終わりなので、ケイさん達の成果を聞かせて下さいなー!」
「ほいよっと。それじゃ最重要っぽいマサキの現状から――」
サヤ達の方の報告は終わったみたいだから、俺らの方で仕入れた情報を伝えていこう。さーて、それが済んだらどういう風に動いていくかを決めないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます