第987話 コンテストの報酬
一旦晩飯で休憩という事で、ログアウト。サヤとヨッシさんへの説明がしてくれるから任せるとして……1時間は俺らはボーナス経験値は貰えないんだよな。まぁその辺は俺らだけの都合でどうこうなる訳じゃないし、今考えても仕方ないか。みんなが合流してから考えようっと。
さて、いったんの場所にやってきたけど、コンテストの報酬を貰うのは晩飯を食ってからにするかー。一応いったんの胴体部分を見ておこうっと。えーと『緊急クエスト開催中!』と『スクリーンショットコンテストの賞品の受け取りはいったんから!』ってなってるね。うん、まぁどっちも大事なお知らせだけど、内容がシンプルー!
「……いったん、流石にお知らせが簡単過ぎない?」
「そこは僕がちゃんと説明するから大丈夫だよ〜」
「あー、まぁそりゃそうだ。でも今は晩飯を食いに行くからその辺は後で!」
「はいはい〜。それじゃ晩ご飯にいってらっしゃい〜!」
「ほいよっと!」
時間的に19時を少し過ぎてる急がないと! 極端に遅れ過ぎない限りはどうこう言われる事もないけど――
「圭ちゃん、晴ちゃん、晩ご飯は出来てるから早めにねー!」
「今降りる!」
「はーい!」
自室のドアを開けた瞬間に母さんからのお呼びがかかった。そして丁度俺と同じようにドアを開けたところの晴香がいた。まぁ同じタイミングで急いでログアウトしたんだし、自室から出てくるのがほぼ同じタイミングにはなるか。
「兄貴、ご飯を食べたら再開なのさー! ちなみに今日は牛丼なのです!」
「……さては晴香のリクエストか?」
「大当たりなのさー!」
「まぁメニューを知ってたらそうなるよなー」
という事で、今日の晩飯は牛丼のようである。丼ものなら食器の片付けはいつもより早く済みそうだから、その辺はありがたいかな。流石にそこまで晴香が考えていたとも思えないから、ただ単に食べたかっただけだろうけどね。
◇ ◇ ◇
手早く晩飯を食べ終え、食器を片付けて自室へと戻ってきた。うん、思った以上に早く済んで、まだ19時半か。俺らと入れ替えですぐにサヤとヨッシさんが狩りを開始出来てたとしても、30分くらいは待機しないといけないかも?
んー、まぁそれはそれでその間に色々と情報収集をしてみればいいか。あの忘れ者の岩場以外の様子も知りたいとこだしね。
という事で、とりあえず再ログイン! さっきは貰ってる時間が無かったけど、今は時間があるからスクショコンテストの報酬を貰っていこう! あ、いったんの胴体の内容は……特に変更はないみたいだね。
「いったん、コンテストの賞品をくれー!」
「はいはい〜。まずは投票参加へのプレゼントの『転移の実×10』からどうぞ〜」
「サンキュー!」
課金アイテムの転移の実がこうして10個も手に入るのは本当にありがたいね。これは今あるのとは別の場所を登録して使う事にしよう。
「それじゃ君は受賞してるのがあるから、そっちの賞品を出していくね〜。赤の群集の団体部門の優秀賞で『スキル強化の種』が1個、灰の群集の団体部門の優秀賞で『スキル強化の種』が1個で、『スキル強化の種』は合計2個になります〜」
「おっし! これはかなりありがたい!」
「貴重なアイテムだから、上手く使ってね〜!」
「ほいよっと」
スキル強化の種が貰えたのは、ルストさんが撮った発火草の群生地のやつと、ハーレさんのキノコとタケノコの件のやつだな。テスト前にあった騒動での補填で貰ったスキル強化の種と合わせて、これで3個。何に使うか、本当に悩むなー。
「それじゃ次を渡していくね〜。まずは赤の群集の団体部門の入賞で『アイテムの詰め合わせ』から好きなのを2個、灰の群集の団体部門の入賞が3つで『アイテムの詰め合わせ』から好きなのを2個が3回分だね〜! 『アイテムの詰め合わせ』から合計8個を選んでね〜!」
「……自分で言うのもなんだけど、結構数が多いな」
「君は受賞者の中でも多めの方だしね〜。でも基本的にゲーム内で手に入るもので、そんなにレアなものにはなってないよ〜」
「あ、そうなんだ。とりあえずどんなのがあるか、一覧をもらえない?」
「はい、どうぞ〜」
「サンキュー!」
さてと、いったんから受け取った『アイテムの詰め合わせ』に何があるか見ていこうっと。えーと、肉系、魚系、果物系の回復アイテムの詰め合わせはもう定番になってきてるね。他には投擲用の弾の詰め合わせ、各種の草の詰め合わせ……うん、本当に消耗品が多い。でも、中身の量は結構多いみたいだな。あ、味付けセットってのがあるから、これはヨッシさんが選びそう。
ん? 進化の軌跡の全種詰め合わせとか、進化の輝石の2属性セットとか、適応の実の大量詰め合わせとか、適応の種の2種類セットとかもあるんだな。しかも組み合わせは好きに選べるのか。
おっ、『経験値の結晶の欠片』10個セットとか、『転移の実』3個セットとかもあるじゃん。この辺は地味にレアではあるけど、確かにゲーム内でも手には入るか。うーん、これは悩む。……今は無理に決めずに、必要になった時や3rd用に置いておくのもありか?
「いったん、これってすぐに受け取らないとダメなやつ?」
「受け取り期限は特にないから、すぐに受け取らなきゃいけない訳じゃないよ〜! でも、存在を忘れて放置にはしないようにね〜!」
「折角貰うんだから、放置はする気ないって。ただ、3rdを作った際に進化の輝石や適応の種が欲しくなりそうな気もするし、使いたくなる時が発生しそうなアイテムもあるから温存しておきたくてさ」
「ちゃんと目的があるなら問題はないよ〜! あ、スキル強化の種はどうする〜? ここで一時保管して、3rdで使う事も出来るよ〜?」
「あ、そういう事も出来るのか。それって今貰ったやつ限定?」
「ううん、今まで手に入れて持ってるのはすべて出来るよ〜。進化の輝石とか適応の種も、ここを経由すれば3rdに受け渡す事は可能だね〜」
「お、そりゃいいね」
そうなってくると、今は死蔵になってる進化の輝石・樹を3rdで使うのもありだな。……まぁまだ3rdで何を作るかは明確に決めてないし、今は確定にしなくていいか。
「それじゃスキル強化の種だけ、コケのインベントリに送っておいてくれ。使いたくなったら、すぐに使えるようにしておきたい」
「はいはい〜。うん、送っておいたよ〜。それで『アイテムの詰め合わせ』はまだ受け取らないので良いんだね〜?」
「それで問題なし!」
「はいはい〜。それじゃ必要になった時に言ってね〜」
「ほいよっと」
とりあえずこれでスクショのコンテストの賞品受け取りについては終了。アイテムの詰め合わせについては必要な時に応じて貰って使うって事で! ハーレさんやヨッシさんは食材系をいくつか交換してそう? でも、まだ前のが残ってるし温存してる可能性もありそうだな。まぁ、その辺はログインして確認すればいいか。
「あ、そうだ、いったん。緊急クエストって具体的にどこのエリアで発生してるか教えてもらえたりする?」
「残念ながらそれは教えられないね〜。群集の人達と情報交換をして、協力しながら対象エリアを探してね〜!」
「……まぁそうなるよなー」
ダメ元ではあったけど、やっぱり教えてはもらえなかったか。まぁこれについては予想の範囲内だから別にいいや。その辺の情報はこれからログインして確認すればいい!
「おし、いったん、コケでログインをよろしく!」
「はいはい〜。それじゃ引き続き楽しんできてね〜!」
「ほいよ!」
という事で、いったんに見送られながらログイン開始! さて、今はどういう状況になってるんだろう?
◇ ◇ ◇
そうして戻ってきました、ソヨカゼ草原! って、人が多い!? え、これってもしかして順番待ちをしてる人達!? ……ちょっと多過ぎない?
「わっ!? この人数は凄いのさー!?」
「お、ハーレさんか。……これ、サヤとヨッシさんが狩りを出来てても次が無理じゃね?」
「ケイさん、どっちにしてもあと1時間はみんなでは無理だよー?」
「……え? あ、そういやサヤとヨッシさんは1時間はボーナス経験値が入らなくなる!?」
「そういう事なのさー!」
うっわ、なんでそんな単純で大事な事を失念してたんだよ、俺!? それなら18時から20時までは狩りをせずに、20時から全員でやった方が良かったじゃん!
「実はそうでもなかったりするかな?」
「え、それってどういう……って、サヤ!? なんでこっちの崖上の方にいるんだ? あ、ヨッシさんもいる?」
「えっと、私達がログインした時にはもう順番待ちになってて、すぐには出来なくてね。それで普通に順番待ちはしてたんだけど、いつものメンバーでやりたいって人が多くて揉めててさ?」
「ソロや少人数の人達の順番を優先する代わりにPTでの順番待ちが別枠で出来て、私とヨッシはそっちで待ってたかな! メンバー全員のの準備が揃ったら、そこが最優先になる感じでね」
「おー、そうなんだ!?」
なんというか晩飯を食ってる間に色々と順番待ちの方はやり方が変わっていたようである。まぁいつものPTメンバーでやりたい気持ちも分かるし、晩飯時だからメンバー全員が揃ってないのも多かったりもするんだろうなー。
「……もしかして、そっちで順番がすぐ来る感じ? てか、2人ともこっちに来てて大丈夫?」
「あ、それは待ってる人同士は近くの順番の人を把握してるし、マナー無視の横入りが無ければ大丈夫かな。PTでの順番待ちはメンバーが揃い次第って事にはなってるしね」
「私とサヤの順番自体はもう来てるけど、メンバーが未揃いって事で待機中なんだ」
「……なるほど。アルが来ればいつでも……あー、でもまだ1時間経ってないな」
「アルから聞いた感じだと、あと20分くらいはまだ待機かな?」
「うん、そうなるね。あ、そうそう、PTは6人にするようにって言われてるんだけど、残りあと1人、入りたいって人がいるんだけど、どうする?」
「ん? それって誰だ?」
このヨッシさんの言い方だと、俺らが既に知ってる人っぽい。紅焔さん達はもう成熟体に進化してるし、風雷コンビは1人では入ってこないと思う。
ほぼ確実に未成体の人だろうけど、2ndや3rdでまだ見た事のない種族になってる可能性もあるから誰なのか候補が絞りきれない。……誰だろ?
「フーリエさんかな!」
「フーリエさん!? え、ここの適正Lvに届いてんの!?」
「今日の昼間と、ケイ達が戦ってた時間帯で干潟エリアでLv25までは上がったそうかな。ここは最低でLv25からになったみたいだから、大丈夫だよ」
「はー、フーリエさんも結構Lvが上がってきたもんだなー。って、一緒にやってるシリウスさんは?」
「……あはは、VR機器が今日故障してプレイ出来ないらしくて、フーリエさんは1人みたい。テスト明けだったらしいけど、災難だよね……」
「あー、それは確かに災難としか言いようがないな……」
せめて壊れたのがテスト期間の最中なら修理に出すなり、買い替えなりの時間はあっただろうけど、今日壊れたら流石にどうしようもないかー。テスト期間って事は俺らと同じ学生組だし、すぐに買い替えられるお金があるとも限らないしな。
おっと、話題が出るのを待っていたのか、細長い群体塊で動くフーリエさんがやってきた。相変わらずヘビには見えないコケとヘビの融合種だなー。
「ケイさん、こんばんは! 今日、一緒にやってもいいですか?」
「おっす、フーリエさん。俺はいいけど……シリウスさんは良いのか?」
「……修理に送ったって言ってたけど、直ってくるまで待たせるのも悪いからって先に育ててる事になりました。シリウスが復帰したら、その時にどうするか考えます!」
「あー、そういう事なら了解っと。サヤとハーレさんは特に問題なさそうだし、ハーレさんはどうだ?」
「私も問題ないのです!」
よし、アル以外の同意はこれで得られた。フーリエさんは俺の弟子だし、アルもダメとは言わないはず。まぁもう少し待たないとボーナスの恩恵が得られないからそこは待つとして、アルもそれまでには戻ってくるか。
「それじゃ後はアルが――」
「ん? 俺がどうした?」
「おわっ!? って、アルか!」
いきなり真後ろにアルがログインしてきてびっくりした! あー、アルがログアウトした位置は俺がログアウトした位置の真後ろだったんだな。でもまぁ丁度アルにも確認すべき事だから丁度いいや。
「アルマースさん、こんばんは!」
「お、フーリエさん、こんばんはだな。で、俺がどうしたんだ? てか、サヤとヨッシさんは狩ってねぇのか? 順番待ちをしてたよな?」
「それについては説明するかな」
「おう、いまいち状況が掴めてないから説明を頼むぜ」
そこから俺に説明してくれた内容と同じ事をサヤとヨッシさんがアルへと説明していってくれた。……アルがログインしてから一緒に説明してもらった方が二度手間にならずに済んだ気がするけど、今更言ってもどうしようもないね。
「……なるほど、そういう事か。フーリエさんを臨時メンバーにするのは俺は構わんぞ」
「アルマースさん、ありがとうございます! 皆さん、今日はよろしくお願いします!」
「おし、それじゃフーリエさんを鍛えていきますか!」
「ケイさん、よろしくお願いします!」
「任せとけ!」
とは言ったものの、半分見栄で具体的な内容は全然考えてない! 物理型のヘビとの融合種のコケで、このタイドプールで何が出来るかを考えてみないとなー。フーリエさんだけでなく、サヤやヨッシさんの立ち回りも考える必要はありそうだ。
「それで、サヤとヨッシさんはまだLv28か?」
「あ、うん、そうなるかな。でもまだ群集クエストは時間がかかりそうだしね」
「無理に今日中に拘らなくても、明日でいいって結論になったんだよね」
「……なるほど、そりゃ確かに今日中にLv30を達成する必要もないか」
「少しLvはズレたけど、明日中にみんなLv30になればいいのです!」
「僕は競争クエストが始まるまでにはLv30にしたいです! 皆さんと一緒に競争クエストに参加したいですし!」
「お、嬉しい事を言ってくれるな、フーリエさん!」
今のLvから考えたら、多分冗談抜きで一緒に戦えるLvにはなってくるはず。ははっ、こういう状況こそ運営が狙ってる状況か!
赤の群集や青の群集で強い人が育ってきてるという話だけど、このボーナス期間でどれだけ群集全体の戦力の底上げが出来るかが重要になってきそうだな。
さて、すぐに戦闘開始といきたいけども、まだ再びボーナス恩恵を受けられる時間は経過していない。ボーナスの恩恵受けられるようになるまでのカウントダウンは出てるから、これが消えるまでは待機だな。
あ、そうだ。フーリエさんは18時台には干潟で狩りをしてたみたいだし、そっちの様子を聞いてみようっと。
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