第8話 帰りに
西館に入ったのは2時過ぎだった。
そういう時間帯だったので、西館の主なサークルさんはもう完売状態だ。
でも人はかなりたくさんいる。
売り切れているのに残っている人たちを見ていると、どうやら人と交流しているようだ。
そうか、参加者の楽しみの一つはこれなんだな。
まだ残っているところもあったけれど南館に比べて西館はほとんど終わり間近のような商品の少なさだった。
もっとロリ本買おうと思ったんだけどなぁ。
こっちにくるの遅かったかなぁ。
一応軽く一回りして、西館も出た。
そうしたらこちらは館内の休憩コーナーで休んでいる人たちがかなりいた。
私もまた疲れて辛かったので、今度は空いていたベンチに座って休む事にした。
時間は3時前だった。
コスプレしている人たちが通っていく姿を眺めながら、ぼーっと休んでいた。
そういえば今回、コスプレイヤーさんたちを各所で見かけた。
コミケなんだから当たり前なんだけど
『コミケ参加者の制服がコスプレなんじゃね?』
ぐらいに多くの人たちが平然と外を歩いていたのだ。
もちろん南館に入るまえには、ちゃんと撮影コーナーもあった。
この寒い日にレオタード姿ぐらいの薄着のお姉さんたちが何人かいた。
私は個人的には、若い女性が可愛いコスプレしている姿より、男性が手作りでロボット物や怪人やマニアックなコスプレしている姿の方が目がいくし好きだ。
本当はまだ同人誌会場を見たい気持ちもあったけれど、体力が限界だった。
この後ちゃんと帰り着けるのだろうかというぐらい、クタクタだった。
なので国際展示場駅から新木場駅にと、逆方向に一旦行ってたら、座れるんじゃないかなと思いわざわざ反対方向に行く事にした。
そうやって新木場駅に行ったわけだけど、行って良かったよ。
駅の売店で、ラブライブ柄の『のっぽパン』が売っていて買う事が出来た。
そして目論見通り、始発だから川越行きに座る事が出来た。
ここでコミケの旅は終わり、となるところなんだけど、最後にこの電車の中で良い光景を見たんだ。
それを書きますね。
外国人家族が何人か乗っていたんだけど、そこの子どもかな?お菓子か何かのゴミを車内に捨てて行ったみたいなの。
そうしたらね、それを一個一個拾って自分の持っていたビニール袋に入れて持ち帰った青年が私の目の前に座ったんだ。
良い青年だなぁと思って見ていたらね、彼も痛袋を持っていた。
同じくコミケの帰りだったんだね。
とてつもなく疲れていたけれど、とてもいい気分でコミケの終わりを締めくくれたなぁと感じたよ。
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