情景07【朝焼け。橋が見えてくる】

 仕事が休みの日は、陽が昇る前に起きて橋まで歩くようにしている。

 薄明かりの空の下で、吐く息が白んで消えるのを目の当たりにした。穏やかな一日を始められたことに心がふわりと軽くなる。ひっそりと、笑みが漏れた。

 いつも通りなだらかな坂を上っていくと、内海ないかいで隔てられた向こう岸までを繋ぐ白い橋が見えてくる。


 そこまで歩く間に、何台かのセダンや運送トラックが自分のそばを走り去っていった。先にある白い橋に乗って、向こう側の陸へ渡ろうと進んでいく。

 自分が橋に辿り着く頃には、その車も指の腹くらいの大きさになっているだろう。

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