第320話そしてわたしは鍋を仕切る

 大学生のわたしは、鍋を煮込む。


 今は一人暮らし。


 最近寒くなってきたから、こういうあったかいものが食べたくなってきた。


 コトコト、グツグツ。


 蓋を開けると野菜や肉が躍っている。


 あっさりした味付けがいいから、あまり濃いものは入れない。


 ダシはすっきりしたやつ。


 肉は鶏のみ。


 にんじん、キャベツ、たまねぎ、ニラ。


 いろんなキノコをたっぷり入れて。


 コトコト、グツグツ。


 再び蓋を閉めて、しばらく炬燵で寝転がる。


「ん~、いいニオイだな」


 そこにあなたがやってきた。


 同じキャンパスの仲間同士、一緒に鍋をつつくことになった。


 コトコト、グツグツ。


 寒くなると、人の距離が近くなる。

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