第316話いっそのこと、このまま寝ようか……

 授業中は眠たくなる。


 ウトウトして、首が傾く。


 お昼休みを過ぎた午後なんか特に。


 わたしは、よだれをたらしそうになる。


 天気がいいとなおさらだ。


 ポカポカして陽光が降りそそぐ。


 窓際だから特に。


 ウトウトして首が傾く。


 授業中は眠たくなる。


 この眠気に抗うことはできない。


「む、むにゃ……?」


 いつの間にか深い眠りに落ちたわたしは、薄目を開ける。


 するとそこにあなたがいた。


 授業はとっくに終わったから、とりあえず口元を拭けとティッシュを渡される。


 わたしはハッとして、ガタンと机に脚をぶつけた。


 口元を拭いながら、わたしは気まずそうに去っていくあなたの背中を見つめる。


 顔が徐々に赤くなる。


 これが夢だったら、覚めてほしい。

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