第312話そしてお弁当を食べるのかもしれないね
わたしが勇者だったらなにをするだろう。
ふと、そんなことを考えてみる。
学校の昼休みのことだった。
中庭のベンチでぼーっと雲を眺めながら考えてみる。
勇者、勇者、勇者……。
きっと世界を救うだろう。
だけどちょっと待て。
救う以前に世界が平和だったらどうする?
そもそも救うの定義とは?
う~ん……。
考えてたらわからなくなった。
そんなところにあなたがやってくる。
「となり、いい?」
そう言ってベンチに座ると、購買で買ったパンを食べ始めた。
モグ、モグ、モグ……。
辺りは静かで、雲がゆっくり流れ、小鳥が空を飛んでいた。
そんな世界が平和に見えて、勇者はいらないのかもと思ったりする。
もしわたしが勇者だったら、明日も変わらず学校に行くのかもね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます