第300話目で追う、その背中

 わたしは日記をつけている。


 日々のなんでもないことを書いている。


 毎日、毎日続けている。


 書きたいときは、ペンが進む。


 書きたくないときは、ペンが進まない。


 書くことがないときは、どうしようか悩む。


 悩んだ上で、だらっと書く。


 どんな言葉でもいい。


 ととのっていても、そうじゃなくてもいい。


 ピシっとしていなくていい。


 きれいじゃなくてもいい。


 できないときは、だらっとしていい。


 そうやってわたしは、日記をつけている。


 あなたを想い、右のページを埋める。


 直接言えないことを、書いてみる。


 内容を想像して、恥ずかしくなる。


 学校では毎日顔を合わせているのに。


 あなたはわたしの気持ちを、知らない。

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