第202話わたしは魔法少女になった(29歳)
わたしは魔法少女になった(29歳)。
アニオタで独身のわたしがなぜこんなことになったのかというと、理由は単純。
わたしの好きな魔法少女モノのアニメを鑑賞中に、家に隕石が落ちたことがはじまりだった。
宝くじが当たるより低い確率で、わたしは死んだのだ。
けれどそれで終わりではなかった。
「ここで死ぬ定めではないと――」
そんな声がどこからともなく降ってくる。
どこかで聞いたことのあるようなセリフだが、まぁいい。
その声の主は自身を高次元の存在と名乗った。
隕石が持つエネルギーそのものだという。
見た目はかなりのイケメン男子。
難しい話はよくわからないが、とにかくわたしは死なずに済むらしい。
異世界転生の流れではないようだ。
隕石のエネルギーでわたしの身体を再生するらしいが、気付くといつの間にか魔法少女になっていた。
高次元のあなたは言う。
「こういうのが好きなんだろ?」
と。
どうやらわたしの趣味を考慮してくれたようだ。
しかしこの歳でフリフリのスカートを穿くことになろうとは……。
ちょっとしたコスプレだよね?
なんか恥ずかしい……。
顔を赤らめているわたしを無視して、あなたはいきなりこんなことを言ってきた。
「さっそく仕事だ。悪魔を退治するぞ」
「え?」
……数瞬沈黙が満たす。
話しによると地球には他にも隕石が落下したらしく、その隕石が悪いエネルギーを内包しているというのだ。
要するにそいつが地球を乗っ取る前に、わたしに倒せという。
いきなり巻き込むなよ!
それからわたしは地球の平和のために謎の敵たちと闘うことになる。
この歳で身体を動かすのはキツイけど、変身した時だけ中学生の姿に戻れるのはなんか嬉しい。
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