第186話わたしは深夜のカップラーメンをあなたにオススメします!

 わたしは深夜に食べるカップラーメンが好きだ。


 そんなことを学校で話したら、


「太るぞ」


 とあなたに言われた。


 確かにカロリーは気になるけど、おいしいという感情には勝てない。


 話しているうちにだんだんお腹が空いてきた。


 あなたにも深夜ラーメンのすばらしさを知ってもらいたい。


 そんなわけで強引にわたしのウチに来てもらうことにした。


 ご両親にはわたしから事情を話しておくから。


 今夜オススメの深夜ラーメンを食べてもらいます!


 ――時刻は深夜十二時。


 日付が変わった直後にポットのお湯が沸く。


 机にはズラリと並べられたカップラーメンたち。


 割りばしと味変のために用意した調味料の数々。


 隣にはあなた。


 わたしはさっそくカップの蓋を開けて、お湯を注ぐ準備に取り掛かる。


 そして、それぞれお気に入りのラーメンを作ることにした。


「僕はカレーだな」


 そう言ってお湯を注ぎ、あなたは三分後に蓋を開けた。


 なかなかいいチョイスね。


 この解放された瞬間の濃いカレーの匂いがたまらない。


 麺をすすっているうちにご飯も食べたくなるのはわたしだけ?


 そうしていると、わたしのカップも三分経った。


 こちらはシーフード味。


 塩気の効いたスープが麺と絡んで最高。


 さらにわたしはここに生卵を落とし込んで食べるのが好きなんだ。


「ズズッ、ズズズッ!」


 勢いよく啜ると口の中に海が広がる。


 うまさのあまりニヤけていると、横からあなたにつつかれた。


「他にも食べてみよう」


 一晩でわたしたちは大量のカップ麺を食べつくした。


 ――翌日。


 さすがに食べすぎたせいか、足下がフラつく。


 しばらくカップ麺は控えよう。


 だけどそのかわりイイものを見つけた。


 深夜のスイーツは最高においしい!


 嬉々として話すと、あなたは目を細めてこう言った。


「太るぞ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る