第181話付箋に添えられた謎のメッセージは誰が書いたのか?

 付箋に謎のメッセージが記されていた。


 僕はよく付箋を使用するのだが、家じゅうに付箋が張り巡らされている。


 冷蔵庫、机、玄関――あらゆる場所に付箋のメッセージが目につく。


 そんな中、この付箋だけは書いた覚えがない。


 教科書に貼られたピンクの付箋。


「下駄箱に呼び出す」


 と一言添えられたメッセージには「?」の疑問符しか浮かばない。


 謎を解くヒントは「下駄箱」。


 僕は学校に行くと、下駄箱の辺りを入念に調べてみた。


 メッセージを紐解く手掛かりがあるかもしれない。


 ……けれどそれらしきものはなかった。


 困り果てた僕はその場で唸る。


 すると横から「どうしたの?」と声を掛けられた。


 同級生の君だった。


 僕はなにげなく付箋の話をしてみる。


 手掛かりが得られるとは思っていないけど、隠すものでもない。


 全部話し終わってため息をついていると、君はなぜか顔を真っ赤にしてぷるぷると震え出した。


「ど、どうしたの?」


 そう言うと君は、「ぜ、ぜったい教科書の最終ページは見るなぁぁっッ!」


 ――そう言い残して走り去った。


 最終ページ?


 そういえば見てなかったな。


 僕はさっそく教科書を開いてみる。


 そこにはさらに謎のメッセージが書き記されていた。


【告白の取説】


 ……そんなタイトルから始まり、告白するためのプランが事細かく記載されていた。


 こんなことを書いた覚えのない僕はハッとする。


 教科書の裏を見て疑問が解けた。


 そこに書かれていたのは君の名前だ。


「間違って僕の机に入れてたんだな……」


 次の日、僕は教科書を君の机にそっと戻す。


 そこには「見てないから」と一言添えて、ピンクの付箋を貼っておいた。

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