第129話 白エルフと偽りの造物主
「結論を言えば地上の森人達には種族再興を望めるだけの余地があり、“魂の盟約” に囚われた白エルフが
何処か自嘲気味に嗤ったファウ・ホムンクルスは小さな身体で高天を
それも一瞬の事で、戻された視線に揺らいだ感情の名残は微塵もない。
『他の眷属と比べて魂の浸蝕が浅い
怨敵憎しの精神なのか、生殖能力が薄弱な代わりに寿命では死に
至極少数ではあれども、運よく傷病を
『砂漠の国々が開発した騎体は単座仕様もあって “
『仮に積極的なエルフ達の関与が事実なら、行商が見聞してきた噂話の一つや二つ、騎士国にも届くのでは?』
与えられた情報を鵜呑みにせず、
『ミアの表層記憶を読み取った限り、双子は笹穂耳を隠してなかったようだな』
『寧ろ、擬態できたのか?』
『あぅう、騎体を調べようと工房へ忍び込んだ時、ベルちゃんに興奮して耳を出した状態のまま捕縛されたので、もう良いかと思ったのです』
その節は国産騎スヴェルの開発に着手していた時期であり、警備隊の指揮を執っていた月ヶ瀬の兄妹に拘束され、城内引き廻しの刑に処されていた記憶がある。
近衛兵の連絡を受けて居合わせた魔術師長のブレイズと一緒に向かえば、ディノの恫喝で涙腺が決壊寸前になっている笹穂耳の双子がいて、
『尋問室で
『貴様、実は甘党だったのか… 外見に似合わず
『いや、レヴィアの餌付け用であって、俺のじゃない』
『まぁ、それはさておき、魔術に長けた我らが
実際、一年半以上に渡り、亡きリグシア侯爵の下で騎体開発の責任者を務めたファウの複製体が言うのなら、大言壮語でも無いのだろう。
当然ながら、森人種の頂点に立つ隔絶した実力があるとは
『精々、権力の中枢を信用できる者で固めることだな。貴様らには妾や
『防戦一方の有様で、“滅びの
『業腹だが… 恐らく、
忌々しそうに吐き捨てられた存在が異形どもの元凶だとしたら、文明崩壊の危機に
虚空へ浮かんでいる銀髪雪肌の人工精霊に懐疑的な視線を投げると、何やら真面目な表情で見返してきた。
『白エルフの時代はもっと熾烈だったぞ。我らより脆弱で未熟な種族にも
『手加減されているのか… 気が重いな』
『でも、被害を抑えられている実態もあるのです』
事前に起動確認した際、ある程度の対話を済ませていた筈のミアも混じり、背景にある意図が何であれ、
一度、自種族の繁栄を
『万に一つの勝ち目も無いのか、俺達は?』
『妾にも
寧ろ、そのために創られた複製体なのでは? という疑念を押さえて頷き、得意げな態度で語られ始めた仮説に
小さな女王
『我らも長年掛けて植生を整え、粗野な巨人族が荒らした大地を緑化した後、用済み扱いで駆逐されたからの… 大方、次の種族が栄えるために邪魔だったのだろう』
溜息して嘆いた
しかも、
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