【邂逅】

ハマナスに唇を寄せて 空を回遊する記憶は 毎日の途の快晴に 触覚の汚れと金魚のフンだ。ともにひとつの洗浄機とまわれめぐれども

あのカイトと夏の花火 天に昇らせた永遠の焦がれ、穢れた珈琲の滲みと癒着してしまえれば 幾分浴衣には香りだけが程よく残るとは言い伝えだが。

 

くぐもった毒華から芳香の泡沫があらわれ

薮蚊が拵える丘陵は仄かに朱く

いつまでもひりついて その胸をかきむしり、

土壌に撥ねた魚拓 上澄みを授けては

未来に番石をおとしていくのならば、

それはまた むかうところにてきはいない

閉ざされたクローゼットのままでいた

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