熨斗

真夏に深海を探しても、向日葵は笑わない

烏の行水にしかならない、蜃気楼の午前二時

浴びせ掛ける罵声よ。泡沫の蚊に呑まれて

涼やかな扇風機にズタズタに裂いた紅い山

曼珠沙華と見せかけて

まあかな腕と解きます

秋は確かに声を枯らし織り込んだ茣蓙に

包まれた蕨たち、春を焦がれて眠るあの子に。

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