第6話 帝国議会
帝国議会。戦後、改正帝国憲法において、民主化が進められ選挙等も改められた。
現在は保守右派政党である、保守党が単独政権与党であり、最大野党は民主党である。
貴族院では総議席245議席の内147議席を獲得している。衆議院では、465議席の内320議席。
圧倒的ではあるが現在は戦後1度も政権交代が行われておらず日和見的で左派に近づきつつある。
「帝国議会貴族院議員の皆様、帝国陸海空軍を代表してご挨拶を申し上げさせていただきます。陸軍中尉綾戸翔也であります。本日は帝国軍規模縮小に関する議題であるとお聞きし軍を代表して参加させていただきます。」
「同じく、帝国軍より参りました帝国陸軍中佐の小坂田と申します。全権を綾戸中尉に委任していることを軍部を代表させていただきます。」
「では、軍部代表より軍の規模縮小に対する意見表明を。」
「軍部としては、政府より提唱されている全面規模縮小には断固反対します。前線での小競り合いは終戦後5年目から幾度かの停戦期間を挟みながら、延々と現在まで続いております。規模縮小されてはソ連軍の侵攻に対応出来ません。」
「続いて、政府より軍務大臣。」
「規模縮小無しには我々の財政健全化がなせません!更には国民の意思として現在インド方面からの撤兵か叫ばれている。インド方面軍、更にはマラヤ方面軍は解体すべきである!」
「インド方面軍を解体すれば誰がインドに住む帝国臣民を護ると言うのですか?陛下の臣民を敵に売り払う様な行為は国民に選ばれる政治家としては如何なものかと小官は考えておりますが。」
「綾戸中尉の言う通りだ!軍務大臣、貴方は国防を担う職責を持ちながら敵国に臣民を売り払う様な利敵かつ職務放棄これはありえないことだ!」
一部、保守党議員が野次を飛ばし、更には右派諸政党が賛同の意を示す。
「全帝国統一保守の蘭海斗だ。1度も政権与党から脱落していない政府には奢りが見える!政治家ではない!既得権益を守る傲慢な独裁者だ!」
保守党は分裂しかけている。上部や若手の一部に蔓延する、左翼穏健派。中堅と若手の大部分が構成する右派保守派。
「そうでは無い!分からんのか!帝国軍はゴミだ。不要なのだぞ!」
「軍務大臣、今の発言取り消してもらおう。我々大日本帝国臣民に奉仕する帝国軍将兵及び国家公務員にゴミだ?不要だ?」
「…軍務大臣取り消し給え。中尉、私の任命責任だ。解任しよう。」
右派諸党は口々に賛同の声を上げる。
内閣総理大臣大凪慎太郎。彼は若手に属する保守党員であるが、穏健派とは離れた立ち位置を保持している。
「英断だと思います。感謝を。」
軍務大臣を解任し保守党の1部を弾圧する。
これは皇宮警察を経由し軍部に伝えられた陛下のご意向、大日本帝国は強大かつ偉大であるべきと軍部の縮小は現時点では求めていないに対して内閣総理大臣、帝国軍統合参謀総長、帝国陸軍参謀総長、帝国海軍軍令部総長、帝国空軍幕僚長、各方面軍司令官、宮内大臣、内務大臣、法務大臣、俺が打ち合わせ軍務大臣の排除と一部議員の大逆罪での拘束が決定している。
あと少しの政治家生命だ。楽しんでくれ。
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