第14章「予定外の予定」その13
この一週間、勉強ばかりしていたので文化祭までの時間があっという間に過ぎていった。
当日の朝になっても、今日が文化祭であることにいまいち実感が湧かなかった。
勉強道具を持って行こうかと思ったが、一年に二度しかない学校の祭りを勉強に費やすのはまずいか。
水筒と弁当だけ鞄に入れて徒歩で学校に向かった。
学校に着くまでに多くの同級生を見たが、みんな祭りに浮かれている様子だった。
教室でもそうだ、僕はいつもより早く着いたのにほとんどのクラスメイトがそろっていた。
一軍の男子たちが手ぬぐいをつけてたこ焼きをひっくり返す練習をしていた。
一軍の女子は宣伝係で看板や表札を作っていた。
今回は二軍以下の男女の出番は特になく、このクラスの団結力の無さに肝を冷やした。
まぁいい、どのみちクラスの出し物を手伝う気なんてなかった。
時計を見ると八時半だった。
僕ら三組はグランドに行き、用意した屋台で開店の準備を始めていた。
さすがに一軍の奴らは手際が良い。二軍以下の奴らが特にやることもないままぼーっとしている時も、はしゃぎながら食材を並べている。
チャラけているけど結果は残す、社会に出でも成功するのはこういう奴らなんだろうな。
まあ僕には一生真似できないと思うけど。
文化祭は九時半から開始する、天候は雲ひとつない晴天で気持ちいいくらいの気温だ。
こんな日にはハンモックに揺られながら日向ぼっこでもしたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます