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2020/02/18 03:45

 ある滅び去った文化は、書籍に記載されるのみで、その実体はどこにも存在しない。歴史研究家によると、それは形式上の儀式で神や悪魔の存在を本気で信じていた人々が迷いを払う、または権力者が形のないものに言葉を与える事で、人々の心の中で形を得た巨大な偶像であり、彼らの言葉を借りる事で、人心掌握が可能になり、世を安定させるのに必要だった。


 ここに「ある滅び去った文化」は生きている。

 目の前に掛けられた絵画の油絵の具の中が粒子に分解され、川のように流れている。ある男の絵が泣いたり、苦悩したり、怒りの形相に変わりゆく様を静かに見つめていた。


 常識の外にあるものの存在を知られてはならない。

 暗黙の掟がある。

 現実の常識は、平穏な社会生活を営む上で、それを維持するために欠かせない、舗装された道だった。周到に練られた決まり事の中で、作られた道。恐らく、古代からの慣習なのだろう、人々を混乱させないための。メディアの一王国を築いた男は、その慣習を引き継いだ。

 

 絵画は常識の外にある、理屈では推し量れないものだった。

 絵の中で、何かが生きている。

 ライオンのように逆立てたドレッドヘアーの大男は絵の前にたたずむ。

 絵がなにを訴えているのか、知りたいと思っていた。

 

 大男の望むもの、太古の知恵や美を生の人間から聞き出すチャンス。

 


 この種の”闇”が他にも存在し、主に国が管理している。

 コンタクトを取り、絵画の中の男を解放し、望みを叶える。

 大男は真実は発掘しつくされた後、情報の過剰供給でその存在に靄がかけられた自分の王国にはあまり興味がなかった。


 誰も知覚できない、未知の領域に心が踊る。


2020/02/18 04:31

2020/02/18 02:59

 脅威に挑まなければならない時。

 立ちはだかる厚い壁をブチ抜くには強力な力が必要だ。

 勝者が誰かにとっての新しい脅威になる。

 より厚い壁を崩すには、さらに強力な力が必須。

 イタチごっこだ。


(描写:テレビ

 人間が動物を棍棒で狩るシルエット

 シルエットは動物に群がる、シルエットにライオンなどの獰猛な動物のシルエットが襲いかかる。次に槍が空からとんでくる。貫かれた動物は、武装した人間のシルエットにとって変わる。今度はシルエット同士が剣で切り結ぶ、彼らを銃が打ち抜き、死体の山を築く(シルエット)最後に立っているのは・・・・・・)


 強者は世の危険を吸い寄せる


 彼女が危険と同居できる理由は、共通の敵の存在だ。

 掘り起こしてはいけないものがある。

 

(移動の描写)


 世の中に流通するものは人間を含めて周到に管理されている。

 はぐれ者には死を。

 


(描写:テレビ番組

 犯罪者、逃げ出した凶暴な動物、汚職政治家、紛争、いじめられっ子の自殺、交通事故)


 はぐれ者には死を。


(描写:誘拐された少女が救い出されるニュース映像)


 


(馬鹿なヤツ。おとなしく被害者してれば、面倒臭いことにならなくて済むのに)


(一発の銃声、少女は倒れる。群がるシルエット)



(没)

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