設定:絵について調べる(心理学的アプローチ)

 モチーフよりも、描き手の見えている心象を。

 メディア王は金と権力があると、本当に美しいものがより輝いて見えると考えている。理由は金と権力を利用すれば、汚いものでも綺麗だと言わせる事ができるし、逆もしかり。そして、国家からは「そうしろ」と要請も来る(たまに)。

 そうして人為的にブラインドが下ろされた世界で、存在を際立たせる物がある。

 情報の渦の中では見えない。


 過去に夢見ていた芸術家への道を極める事は、頂点に昇り詰める事だと信じていた。信じていた結果が、大衆扇動の旗手を務める事になった。

 彼にも夢がある、人々が信じる美しいものを持ち寄り、それらを楽しむ事だ。


           「作られたものではなく」


 表面上はふざけて飄々としているが、美への執着は激しい。

 人生を捧げるに相応しいと考えている。金はあの世へ持ち込めないし、そこに金に対する信用も存在する補償もない。

 美に宿る神聖を脳に刻んで魂を昇天させたい、と考えている。


 ある事故で、「生きた芸術家」が裏市場に出回っている情報を得た。

 そして、魔術・魔法・魂なる概念が存在している事を知った。

 禁忌に触れた時から、特に国家からメディア王への干渉が強くなった。

 世の中には見せてはいけない領域があるのは知っていた。


 そんな彼にも知らない世界があった。

「生きた芸術家」は世界の底への入り口でもあった。

 闇は深い。


 魔術・魔法・魂のアルゴリズムも闇から掘り出した未開の叡智。

 

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