1-⑧
◇ ◇ ◇
ようやく山頂に着いた。登り始めてから大体2時間半くらいだろうかいや、もう少し短い。普段からあまり運動をしないためか大分疲れた。そんな自分とは裏腹に、川原には疲れた様子は無い。やはり慣れているのだろう。川原はあまり危険な山には登らないらしく、殆どこのような7〜800mの山にしか登らないらしい。勿論、富士山のような日本一の山には登ると登頂中に話していた。
「さわどー」と呼ぶ声が聞こえたので、疲れて地面を眺めていた自分の顔を上げる。目の前に広がる崖の下に自分が3時間程前まで歩いていた温泉街や、その近くの湖、それを取り囲む森までもが一望できた。
「どう? 沢戸、山頂からの景色は」
「そうだなぁ、色々あるけど――なにより、空が近い」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます