第2話 放課後

「やほーすいねちゃん」

「やほーです。千夏先輩」

女王とすいねは校外で会うたびにこのような感じで挨拶を交わしている。


「君たち仲いいね…正直俺いらないよね」

大抵女王はすいねと作戦を練っているし、俺はスマホをかまって時たま来た質問に答えるだけだ


『冬樹、すいねちゃんどこに誘ったらいいと思う?』

照からLONEがきた。

『知らねえよ、お前のほうがそこらへん詳しいだろ』

お前見たいに女子と出かけたことがねえんだよこっちは

今ここに居たら殴っていたかもしれない…

『そういわずにさ。すいねちゃんお前と仲いいじゃん』

『そういうのは自分で聞いてくる奴が好きだって言ってたなぁ…』

面倒くさくなったので虚偽の申告を行う

『マジか、そうなら早く言ってくれよ』

すぐさま実行に移したのかすいねのスマホが鳴る。


「ん?」

スマホを一瞥すると苦い顔をし始めた。

俺に小さく手招きをし始める

「どうした?」

「キモい奴からLONE来たんですけど…」

そう言って見せてきたのは照とのトーク画面だった。

「お前返事適当過ぎるだろ…」

大体、『はい』『そうですね』『へ~』くらいしか返していない

お前はBOTかよとツッコミたくなった

「女子ってどうでもいい人のLONEって適当に返すんですよ?」

さも一般常識かのように言われた。

「とりあえず既読無視はやめておけ」

「はーい」

そう言って器用に片手で返信をし始めた。

俺思うんだ、なんでみんなフリック入力できるん?

俺キーボードタイプじゃないとおじさん並みの速度なんだけど

「先輩もいるんだったらいいですよっと」

「おいまて、俺は休日は家にこもってゲーム三昧だ。お前がうちに来るのは許容しているが自分行きたくもないのに行くのは嫌だぞ」

女王でもさそって一緒に行ってこいと視線で訴える

「わかりました。このキモ男さんが一人になっちゃうから可哀そうでいけないんですね。千夏先輩今週の土曜日遊園地一緒に行きましょう」

「え?いいけど2人で行くの?」

「そんなわけないじゃないですか、先輩と千夏先輩が好きな人も呼んでもらいますよ」

「いく!」

既に決まってしまったことらしく俺は潔く諦めた。

『冬樹今週土曜遊園地一緒に行くぞ。手回しよろしく』

『頼るな、自分でどうにかするのが堕とす秘訣だ』

と適当ぶっこいて俺はLONEを閉じた。

その日それ以降LONEを開くことはなかった

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