Rev.8 案3:怪獣出現

 木造の教室の中で、教師の発話とノートを取る音だけが響いている。時折他の生徒のいびきが聞こえてくるが、教師はそれを無視して淡々と説明を続けている。学校の授業というのは退屈な物だとつくづく思う。教師の間延びした説明を欠伸をしながら聞いていた。

 欠伸が終わった瞬間、正にその時、俺は、この世界がもう少しで滅びる事に気付いた。理由は分からない。だが気付いてしまったのだ。

 窓の外を見た。ミサイルか?いや何も無い。ただ青い空と白い雲だけが広がっている。太陽の膨張か?確かに太陽は燦々と大地を照らしている。だがその光が急激に強くなったわけでもなく、また人類が生存出来ない程に気温が上がり始めたわけでも無かった。


 だがもう一度窓の外に目を凝らすと、地平線の向こうに何かが見えた。身を乗り出してそちらをよく見た。隣の同級生に奇異の目で見られたので、声をかけた。「あそこに何か見えないか?」すると彼も窓の外を向いた。振り返りこちらを見る。その顔には同意の文字が見えた。改めて二人で窓の外を見た。

 運動場の先、地平線の向こうに聳えるビルが蠢いていた。いや、よく見ればビルでは無い。何かもっと生物的な、手足の生えた何かのように見えた。教師の咎める声を無視して、俺は同級生に窓を開けるように言った。彼はその通りにした。俺はスマホを取り出してカメラのズーム機能を使ってそれを捉えた。

 生物的という俺の目は正しかった。それは正しく生物だった。手足があり、顔があり、尻尾もあった。問題はそれがビル程に巨大だという事だ。遠近法による錯覚を疑う程に巨大なそれは、確かに地平線の向こうにあった。異常を察知した他の同級生が駆け寄ってきて、同じようにスマホで窓の外を見て、その生物らしき物を見た。そして平凡な日常が壊れる事に対する恐怖と、どこか興奮した顔を浮かべながら、何事かと騒ぎ立て始めた。教師も普通では無いと理解したのか、慌ててテレビを点けた。

『臨時ニュースです。これは、特撮ではありません。実際の映像です。ご覧ください。巨大生物です。巨大な生物が今、街を闊歩しています。』

 テレビが俺の見た物を更に鮮明に写していた。角が生えたティラノサウルスという表現が一番近いだろう。コンクリートのビルよりも高いそれは、物理法則を無視するように聳え立ち、悠々と歩いていた。

 瞬間、それの顔らしき部分が光った。俺はその光に包まれ

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