自分の好みを再認識したことについての話
夏と秋の間の話。
「あ゛!! わかったぞ! 考え方のクセの違いと対比!! 私がよく書くやつ!! 大体の話に入ってるもんこれ!! 気づいてから読み返せばまぁ~じでしょっちゅう書いてるやん!! 理解理解! 私が好きなのは考え方のクセの違いと対比だ!! なぁるほど!!!!」ってなったので、自分が書いたもの読み漁ってきた。やっぱりどれを何回読んでもさぁ、登場人物たちの考え方が最初から最後まで似てるって描写してるものは一切無かったわ。
相性がいいとか気が合うとか、ノリが一緒とか、ふざけてる時の発想が同じとか、どんなに似てる場所があっても、考え方の流れとかたどり着く先とかが違うって描写入れがち。
関係ないけど、前半書いてる最中は風景とかの描写も入れんとな~~せめて動作とか表情入れよ……とか思ってたはずなのに完成したあと読んでみたら見事に会話のみなの笑うしかないな……
というわけで、それに気付くきっかけになった小説を下に貼っておきます。気が向いたら読んでみてね。
清々しい朝のやけに高く見える空を眺めて、あぁ、夏も終わりか、なんて思った。彼の言葉を要約すると、つまりそういうことが言いたいようだった。
「朝に夏の終わりを感じるなんて、やっぱりアンタは独特だね」
「なんだよそれ」
「だってさ、そういうのは夕方とか夜のイメージじゃない?」
「例えば?」
夏も終わりか、なんてのは日が落ちるのが早くなったなだとか、もう夜はこんなに涼しいねだとか、そういう会話のあとにくるセリフじゃない? あとはこの夏最後の思い出になるであろうイベントから帰る夕方とか。
少なくとも私の中では、そういう寂しさと一緒に次の季節を迎え入れるものだろうという印象がある。夏の終わりに関しては特に。
そういったことを彼に告げる。まぁ同意が得られるとは思っていない。
「そうかぁ? そんないちいち寂しくなるのはなんか違くね?」
俺は夏の終わりを感じるんじゃなくて、秋を迎えにいってやりたいんだよ。なんて言う彼の顔が本当に寂しさを感じさせない笑顔だったから、いつものように妙な説得力を感じて言いくるめられてしまう。よくよく考えれば言ってることわけわかんないくせに。
「いやでもさっき、夏も終わりかって言ったじゃん。終わりを感じないんじゃないの?」
それが悔しくてまたいつものように、どうでもいいようなところで揚げ足を取る。
「秋が始まるってことは実質夏の終わりだろ!」
言葉遊びしてんじゃねーんだよとか屁理屈好きだよなとかゴニョゴニョ言っている彼に、実は私は、アンタのその感覚で喋っているようなところが好きだったりするって伝えてみたら、アンタはどんな顔をするんだろう。なぜそんなことが気になるのか、その答えはきっと、これを考えだすとどうしても口角が上がるのを我慢できない理由とおんなじだ。
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