日本調教馬で唯一ディープインパクトを制したハーツクライ。群雄のなか、あと一歩に欠けた者が、運命的な出会いによって劇的な勝利をつかみ取る瞬間が、読みやすく、生き生きと描かれています。馬の話だけれど、これはヒーローの物語です。とても熱い気持ちで一気に読みました!
昨年の有馬記念の勝馬の父は〜と、レースから10数年前にタイムスリップしながら拝読しました。勝った負けたそれだけでない。サラブレッドの血のロマンというか、ブラッドスポーツとして捉えた作品に、思わず引き込まれてしまいます。登場するサラブレッドは、ふだん競馬に興味のあまりない方でも耳にしたこと目にしたことがあるかもしれない優駿たち。目を閉じると蹄の音が聞こえてきそうなルポ風の作品、スポーツ観戦やサラブレッドが好きな方に、ぜひおすすめしたいと感じました。