第5話 名手は胸中に秘策を抱く
ジャパンカップまでのハーツクライは、どちらかと言えば後方待機策からの末脚勝負を挑むというのが基本であった。
しかしながら、日本が世界に誇る名騎手、武豊を以てして「空を翔んでいる」とまで言わしめた程の末脚のキレを誇るディープインパクト相手に同じ後方待機〜末脚勝負を挑むというのは、いかにも分が悪いと言わざるを得ないだろう。
ディープインパクトに何らかのアクシデントがあったとして、それでようやく2着まで、というのが一般的な競馬ファンや関係者の想像出来る限界であったかも知れない。
しかしながら、ハーツクライの手綱を取っていたルメールだけは違っていた。もちろん、実際どうだったのかは本人にしか分からない。しかし、恐らくは「ディープを倒してやろう。優勝してやろう」というはっきりとした意識を持ってレースに臨んでいたに違いない。それは有馬記念のレースが始まってすぐのルメールの行動にはっきりと表れている。
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