第2話 理由

「消滅…だと…?んなこと俺は、望んでねぇ‼」

「望んでなくとも、現実は変えられないよ。いい加減諦めたらいいじゃない?」


レオは吸血鬼ヴァンパイアの顔にぐっと近付けると、こう言った。


時間切れタイムオーバーよ。あなたは死ぬ」

吸血鬼ヴァンパイアの意識が遠くなった。


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「っく……???」

「眼が覚めた?」


吸血鬼ヴァンパイアことTheoテオはベッドに寝かされ、レオはベッドの近くの壁にもたれ掛かっていた。


「痛って…、あ」

「傷はもう癒えてる。あなた、よく此処きょうかいまで来たわね。よっぽど何も口にしてなかったんでしょ」

「その通りだよ…。全く、最近の奴らの血は濁ってやがる。あんまし飲んでも、ただ不味いだけなんだよな…、って、そうじゃなくて、何故俺を助けた?」

「…ただの気紛れ」

「気紛れな訳無いだろ。お前、ヴァンパイアのハーフだな?」


レオは観念したように溜息をつき、「ご名答。まあ、ハーフって言っても、人間ヒトの割合が多いかな」

「…そのまま俺を殺しても良かったのに」

「言ったでしょ。私は人間。それにヴァンパイアハンターなんだから。

だから、あなたに吸血されたらダメなの。あと」


レオはその場を離れたが、直ぐに戻ってきた。

手には、幅が広いサーベルを持っていた。


「変なことしたら、殺すから」


レオは吸血鬼ヴァンパイアを殺すのに余地はない。


誰よりもヴァンパイアそいつらを忌み嫌っているのだから。


「あ、そーだ」


レオは何かを思いつき、「ね、あなたさ、私達の学園に来ない?」

「…何を企んでいるんだ?」

「何も企んでないよ?それに、あなたと同じ吸血鬼ヴァンパイアだって居る」


吸血鬼ヴァンパイアが居る、という文節を聴き、テオの耳がピクピクと動いたような気がした。


「嘘じゃないだろうな?」

「もちろん。偽りうそだったら、この首、撥ねてもいいけど」


結構自信があるようだ。

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Vtime 朝陽うさぎ @NAKAHARATYUYA

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