ミコの女たちⅡ ヴィーンゴールヴ・マドモアゼル 【ノーマル版】

籠目（かごめ）高等女学校

　ネットワークに加盟する膨大な惑星世界、ハウスが設置されている地域の住民が『献上品』になるには、八年制高等女学校に併設されている、メイド任官課程を卒業することが前提となる。

　この八年制高等女学校は、直轄惑星のハウス設置地区にしかない。

　基本的には直轄惑星のハウスがある地域には、一つは設立されることになっており、惑星ヴィーンゴールヴにも各々一つずつある。

　一つはヴァンパイア地区の第一都市、アルデアルにあるダチア高等女学院、そしてもう一つが、モンスター地区の第一都市タナトス・シティの籠目（かごめ）高等女学校なのである。

　この二つの女学校は惑星ヴィーンゴールヴにおいて、女性教育機関としてはエリート校。

　望みさえすれば、マルスの乙女のリング地区にある女子大学には推薦入学が可能である。

　その中でもメイド任官課程、別名女官任官課程とも呼ばれるが、この課程は最難関。

　これはヴィーナス・ネットワークにおいて、すべての八年制高女にいえることで、この学生に支給されるシルバーリングは、少なくともマルス文化圏の女学生の憧れでもある。

　メイド任官課程は全寮制で、奨学金として年に金貨一枚分百五十万円、しかも必要な物は全て支給の上でのお小遣い。

　最終年度にはニライカナイも見学できる。

　勿論任官拒否もできるが、滅多な事では拒否者などはでない。

　さらに一号生徒とよばれる最優秀生徒は、任官すればかなり優遇される。

　ヴィーンゴールヴの八年制高等女学校には、必ずメイド任官課程が併設されており、当然のように付属女子小学校をもっている。

　この付属女子小学校はメイド任官課程への特別推薦枠として一名分をもっており、推薦されれば無試験でメイド任官課程に進学できる。

　メイド任官課程は、高女課程と女専課程にわかれており、最初の高女課程の受験合格定員は一学年十名、もし付属小学校から特別推薦生徒がでれば九名。

　容姿端麗が絶対条件で、特別推薦枠以外は、まずは小学校から提出される女子生徒の名簿から有資格所持者が選別され、有資格者となった者だけが希望すれば受験できる。

　このほか一般の五年制高等女学校卒業生、および八年制高等女学校の高女課程修了の一般生徒が受けることが出来る編入試験があり、メイド任官課程六回生に編入できる。

　こちらも、一学年定員十名となっている。

　勿論美女で出身高女、または特定関係人の推薦が条件である。

　つまり籠目（かごめ）高女のメイド任官課程の女学生は最大定員百十名となり、毎年優秀なメイドさんを最大二十名提供している。

　八年制高等女学校は、マルス文化圏に属する三つの惑星には十四校存在する。

　惑星ヴィーンゴールヴには二校

　パンパイア地区にあるダチア高等女学院と、モンスター地区にある籠目（かごめ）高等女学校

　惑星テラには小笠原シティにある小笠原高等女学校

　惑星マルスにはさすがに多く、十一校が存在する。

　北欧地区　首都アールヴヘイムにあるフレイヤ女子学院

　ドイツ地域　首都ゲルマニアにあるフランケ女学院

　フランス地域　首都ルテティアにあるルテティア女子グランゼコール

　イギリス地区　首都ティル・ナ・ノーグにあるクィーンズ・スクール

　ロシア地域　首都ニコライ四世シティにあるスモーリヌィ女学院

　バレアレス地域　首都デモレーにあるテンプル女学校

　カナダ地域　首都ランス・オ・メドーにある　クイーンマーガレットスクール　

　アメリカ地区　首都ニューイーグルにある、ベティ女子スクール

　日本地区　首都トウキョウにあるオディール女学館

　日本地区　首都トウキョウにある華族女学校

　日本地区　ミヤコシティにある都女子学園

　十四校は互いに交流しているが、ただ例外が体育関係、やはりヴィーンゴールヴの特殊事情で運動関係の交流には無理がある。

　まずはヴィーンゴールヴの二校の圧勝となるからだ……