水曜日

 今日、虹色を観察していて、私の認識がどうやら間違いであったことに気づかされた。

 彼女はオスではなく、に求愛している。

 同性に求愛しているのである。

 彼女は、自分を口説くオスには全く興味を示さない。交尾を迫られても頑なに拒み、逃げるようにしてメスを探しに出かける。

 気に入った相手を見つけると、彼女はあの虹の翅を羽ばたかせて求愛する。もしメスを横取りしようとするオスが現れれば、彼女は躊躇いなく追い立てる。

 彼女の行動だけ見れば、おそらく蝶を専門にする研究者でさえ虹色をオスと勘違いするだろう。

 私は彼女を傷つけないようにそっと捕まえて、その身体――特に尾の先端にある交尾器――を詳しく観察したが、やはり虹色は紛れもなくメスであった。

 野に放すと、彼女はすぐにまたメスを探しに出かけた。

 片想いの相手と空中で踊るように戯れる彼女の姿は、まるで恋の喜びを全身で表そうとしているかのようだった。

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