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こんばんは。
この話題について葉月さんのご意見を伺うことができて、とても嬉しいです。
一部のラノベに対してしばしば言われる「テンプレばかり」、「情景描写がない」といった批判が批判になっていないという点は、僕もそうだと思います。一般的にはラノベは表紙とレーベルを見ればすぐにラノベだと分かりますし、最近はタイトルでどんな内容か分かるものも増えてきているので、そういったものをわざわざ選んでおきながら「テンプレばかり」、「情景描写がない」と言うのは酷でしょうね。
疲れている人は「テンプレばかり」で構わないと思っているというのも、葉月さんのおっしゃる通りだと思います。「情景描写がない」こともそうですが、疲れて考えることが面倒になっている人々にとっては、むしろそうである方が、作品ごとに考えることが少なくて済んで、読みやすいのでしょう。少なくとも、ラノベが一時の流行で終わらず今も続いているのは、それらを長所だと思う読者がいるからこそだと思います。
ただ、新しいタイトルのラノベが次から次に出版されることにも注意が必要だと思います。
ラノベ読者の求めているものが単に、多くを考えなくて済む、現実逃避的な読書体験だけであるならば、一度読んで気に入った作品を繰り返し読んだ方が効率的なはずです。というのも、内容を把握している分、考えることが少なくて済むからです。しかし、実際には読者は過去の名作だけでは満足せず、新しいタイトルを買い続け、読み続けているように思います(だからこそ過去の名作のパロディや名言の引用がギャグとして成立するのだと思います)。何が言いたいかというと、読者は単に思考停止して読める作品を求めているだけでなく、それぞれの作品に何かしらの新しさ(新たな刺激)をも求めているのだろうということです。
ラノベに限らず、夕方のアニメもそうですね。たとえば、『ドラえもん』や『名探偵コナン』って話の大筋はどれも似たり寄ったりだと思うんですよ。ジャイアンやスネ夫にいじめられたのび太がドラえもんに泣きついて未来のチートアイテムを出してもらうんだけど悪用しちゃって(あるいは悪用されちゃって)ひどいことになるとか、コナンくんが旅行に出かけた先で事件が起こって「犯人はこの中にいる!」とか。当然ながら、過去に出てきたアイテムを複数組み合わせて使うとか、犯人は被害者と全く接点のないシリアルキラーだ、みたいな話があった方がテンプレを外せるようにはなります。ですが、おそらく視聴者はそんなものは求めていません。ドラえもんが登場したからには今まで見たことのないひみつ道具が出てくることを期待してしまうし、コナンくんの前で事件が起きて居合わせた数名の人が容疑者になったからにはその結末が「実は、最後になって登場した、顔も名前も知らない人が犯人でした」では納得できない。基本的にはテンプレをなぞった上で微妙にそれを外す(期待に応えた上で微妙にそれを裏切る)からこそ、読者や視聴者は安心して楽しめるのだと思います。
このように考えると、ちょっと毒のある言い方になりますが、ラノベを読む層というのは、「小説を読むとき難しいことを考えたくはない(読むのは純文学よりもラノベが良い)」と思いながらも、「小説には単なるテンプレ(お決まりのパターン)では終わらないような新しさが欲しい」と期待してもいる人々だ、ということが言えると思います。もちろん、テンプレそのままが好きな読者も多いでしょうし、最近のなろう小説(テンプレ小説)の台頭はそういった人々が少なくないことを証明していると思います。しかし、一部のラノベに対して不満の声が上がるということは、「テンプレをなぞるのは良いが、新しいタイトルとして出版されたからにはテンプレを微妙に外してくれないと困る」と思う読者もまたいる、ということを示していると思います。
「読者ってやつは、書く方の気も知らないで勝手なことばっかり言いやがって」
と思われたかもしれませんし、僕もラノベ作家が“別にラノベが好きではない人”から悪口を言われて自尊心や創作意欲を削られるとしたらそれは良くないと思いますが、個人的には、ラノベ読者が不満を言うのはそれだけ作品に期待していたからではないのかなという気がします。全く何の期待もしていないならその本を手に取ることもないでしょうから。あるいは、今後もっと面白いラノベが出てきてほしいと思っている(その意味でラノベ業界に期待している)からこそ、批判的なことを言わずにはいられないのかな、と。そう考えると、批判が出るのも悪いことばかりではないように思います(もちろん、世の中には、批判する気満々で読み始めて作品をレビューやYouTubeなどで口汚く罵ることでストレスを発散している節がある人もいますが、作品の読者全てがそういう人ということはまずあり得ないので、あまり気にする必要はないはずです)。
葉月さんの論点とそれに対するアプローチを拝見していると、色々と考えが膨らんで、つい長々と書いてしまいました。すみません。
新たな視点から考えるきっかけをくださってありがとうございます。僕としてはこういう話題を考えること自体が楽しいので、葉月さんのお考えを知ることができて良かったです。
長文失礼しました。
作者からの返信
あじさいさん、こんばんは!
確かにそうですよね……。タイトルは違っても中身は大体一緒じゃないか、なんて作品もありますし。それだったら一つのものを繰り返し読んだ方が良いと私も思います。
けれどそれでも批判が起こるというのは、あじさいさんのおっしゃる通り、テンプレの中にちょっとした刺激を求める方が多いからなんでしょうね。作家からすれば、なかなか難しい読者たちだと考えると思います(苦笑) ラノベは読者が増えやすい分、期待されることも多いのだろうなぁ……。無責任だと感じますが。何というかこれも読者の嫌なところですが、買うから面白いものを書いてくれよ、というような。
とは言っても、批判は見ていると苦しいものですね。私の場合は「好きなものを書いてくれ、ついていくから!」といった感じです。けれど先ほども書いたように、私も期待している部分はあります。そうなると、やはり批判には良いこともあるのかもしれません。
こちらこそ、あじさいさんの色々な考えをありがとうございました!(*´▽`*)
こんにちは、チョコさん(^ω^)
ちょっと前の記事なので、書こうか迷いましたが、少しまとめたのでコメントしてみました。←都合で流したり、読んだり、てけとーにしてみてくださいませ(-人-;)
以前になろうやカクヨムで交流したことのある方がおっしゃられていたのは、
ライトノベルと一般小説は違う。
一般小説が映画などのようにストーリーを一本、じっくりと観賞するのに似ているのに対して、
ラノベはテーマパークなどのアトラクションを楽しむ感覚に近いのだ、と。
まあ、ライトノベルもさまざまで、本当の意味での短時間で消化する軽妙なものから、一般小説と遜色ない深く読み解く内容を含んだものまで、千差万別であるのも確かです。
あの方がおっしゃっていた、意味もわかる気がいたします。←全てに合致する訳ではなく、傾向としてという意味です。
自分が考える、ラノベ、特に投稿サイトでの好まれる傾向として感じていることですが、作品を見ていただくターゲットの読む場所、時間として考えると、休憩途中、移動途中の空き時間で読んで理解でき、短時間で楽しめるものなのかなと。←例えば一話分読みきるのに数分、電車移動中にであるなら、一駅区間ないしは数駅区間で判読できる分量と密度の内容であるというものなのかなと、そんなふうに考えております。
アトラクションを一本楽しむのは、おそらくそのくらいのボリュームと時間で許されるものに該当するのかなと、ライトノベルも一話の作りがそうなっているのかなと感じています。←そして、楽しんだあとにすぐ気持ちが切り替えられる、後々で物語が負担とならない軽さを欲する人が多いのかなとも思っていますね。
だとすれば難しい展開や理解に時間のかかる物語、ストレスが後々まで残るものが好まれないという傾向もわかる気がいたします。
絵があること以外にも、マンガと近いとする印象は、そういったところからかもしれません。←時間や手間をかけずに楽しめる、スカッとできるボリュームと内容。
コミック、ラノベというのはそういった傾向があるということなのかもですね。←全般がそうであるというわけではなくです(^ω^)
そう考えると、書かれる、ウケる、楽しまれて受け入れられるものはどういったものなのかと判ってくるのかもしれません。←決して良い悪い、優れているのは何だということではなく、そういったものであるという、そうなのかもしれないというだけのことですね(^_^;)
自分は長くても短くても、笑えるものも悲しいものも、簡単でも難しくても、自分が楽しめるものであれば好きですし、
マンガも小説もラノベも読みますし、映画もアトラクションも楽しみます(*´∀`)♪
短時間でストレス発散できるものも、
複雑で難しくて時間のかかることを考えながら解決させるという楽しみも好きだからでしょうかね~♪("⌒∇⌒")
とりとめもなく長々書いてしまい、ごめんなさいでしたm(_ _)m
作者からの返信
みなはらさん、こんばんは!
こちらこそ、少し前に書いたものなのにコメントしてくださって、ありがとうございます(*´ω`*)
確かにそうかもしれませんね。映画はどちらかというとじっくり観ることが多いですが、テーマパークはその時の楽しさがメインな気がします。ここで言う「ラノベ」は量産型……というと言い方は悪いですが、テンプレなストーリーの場合ということでしょうか。
ラノベは手の取りやすさから、さらっと読まれることが多いですものね。少し読むのに間が開いても理解できる内容で、一話一話が短く読みやすく。みなはらさんのおっしゃる通り、電車などの移動にぴったりだなと改めて思いました。他だと学校の朝読書などもそうですね(●´ω`●)
後々響いてくる、重たいストーリーを扱っている漫画やラノベも多々ありますが、やはり始めから人気なのはスカッとする話やのんびりできる話なのかもしれませんね。
それと、考察できる内容が少ないものも多いと思います。先ほどの話と似ていますが、時間をかけて読むよりは、短時間で読めるように作者が誘導している感じでしょうか。
私もどちらも好きです~♪
どちらが悪い、とかじゃなくてどちらも良い、ですね。どちらも好きですから、片方だけを批判するものが減っていけばいいなぁ……なんて思ってしまいます。